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八雲立つ...

私用で実家のある出雲へ。15年ぶりくらいに近くの出雲大社に行ってきました。たまたま神社の系譜 なぜそこにあるのかを読んだりしていたので。自然暦という視点で神社の系譜をたどった本。本当は出雲大社と自然暦で結ばれた日御碕神社とかにも行ってみたかったのですが、時間がなくてかなわず。

肝心の本殿はこれより先には入れません。この手前に賽銭箱がありみんなここにお金を投げてお願い?お祈り?をしています。
僕は神道に限らず宗教心がないので賽銭もおみくじもしません。

古代の本殿は高さ16丈(約48m)もあったらしく、それを支えていたのが3本の巨木を束ね1本として立てられた「心の御柱」。これはその柱の実寸模型です。でかい。これが事実ならば現代で考えても非常に高度な木造建築のテクノロジーです。耐震強度は大丈夫だったのでしょうか?

やはりでかい。
アンセルムスの神の定義「神は、それよりも大なるものが可能でない対象である」(ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論より)を思い出す。

観光地といってもお正月以外特に平日は人影はほとんどありません。多くの地方観光地が抱えている日常です。

環境の外へ。認識の外へ。さらにさらに外へー。出雲大社とはあまり関係ありませんが何となく。

BIT THINGS @ YCAM

BIT THINGS @ YCAM/augmented reality(yamaguchi/2003)

クライアント:財団法人 山口市文化振興財団
プロデュース:阿部一直(YCAM)
ディレクション・空間デザイン:matt
webデザイン・システム:Semitransparent Design

山口市に2003年オープンしたYCAM山口情報芸術センター内のユーティリティ・コミュニケーションスペース。公共の場での現実空間とビット空間を繋げる=一つにする試みです。nature calls meに続いてSemitransparent Designとの共同創作です。セミトラのサイトで動画が見れます。rss.semitransparentdesign.com/2006/02/bitthings.html


子供たちに向けての新しいメディア体験ということを考えていましたが、子供たちの身体を通しての想像力は予想以上に素晴らしく、この環境を使って色んな遊び方を発見していました。それらも含めてとても可能性を感じるプロジェクトでしたが、現在は現実空間のみの運営になっています。アート作品としてではなく環境、パブリックスペースとして更新し運営し続けるということはオペレーションとデザインが一体となって取り組まなければならない問題です。特にこのようにあまり前例のない試みの場合それはより重要になります。今回のプロジェクトでは課題として残りました。が、僕は解決可能な問題だと考えています。

以下はプロジェクトのスケッチです。



西麻布〜六本木

西麻布某所で打合せ。初対面でしたが、気持ちのいい打合せでした。新しいチャレンジかつ未来志向の共同創作に繋がればいいのですが。

その後久しぶりに青山ブックセンター六本木店へ。改装してからは初めて。基本的な三層構成は変わっていなかったのであまり印象は変わらず。洋書ペーパーバックコーナーが増床していました。小さいお店なので元々多くはなかったのですが、「科学」の棚は何と1棚のみ。となりの「生命・システム・脳」の1棚と合わせても2棚。そんなものですか....。
リニューアル記念に何か1冊でもと思い探したのですがなかなか見つからず。結局READINGS〈2〉ランドスケープ批評宣言を購入。

それにしても、今朝のポルトガル×オランダは凄まじいゲームでした。W杯のせいで睡眠時間と読書時間が不足気味です。

APMT

たまたま通りすがった代官山のGALLERY SPEAK FORで開催していたAPMT exhibitionを見ました。APMTはデザインポータルサイトCBCNETが主催するデザイン&アートカンファレンスです。(昨年に続いて今年が2回目の開催)メインは先日super deluxeで行われたカンファレンスでありGALLERY SPEAK FORでのオープニングだったのだと思います。残念ながら僕は1回目も今回もカンファレンスには行けませんでした。なのでこのexhibitionに限っての感想ですが、すごく低調なexhibitionに感じました。というより空間が死んでいるようでした。出展したデザイナーやアーティストはこの状況を認識しているのでしょうか?marcos weskamp等興味あるアーティストも参加していただけに残念です。わざわざこんな空間を使ってやらないでメインのカンファレンスとwebのみで展開すればいいのに。exhibitionやギャラリー、ミュージアムってこういうことが多い気がします。ドーンとやっちゃえばその後は知ーらないというか。問われないんですよね、誰からも。空間を無駄に使っているということがどうしても気になってしまいます。
「これだけ見て文句言うなよ」ーごもっともです。あくまでもこれはGALLERY SPEAK FORという空間でのexhibitionについての感想です。次回はちゃんとカンファレンスにも行きたいと思います。

sign外苑前現場日記/番外編 under construction 03

今日はsign外苑前現場日記/番外編です。signはグラフィックやヴィジュアルの方もいろいろな方々が参加して創られていきます。グラフィック全般は黒田益朗さん。キャラクターのサインパパはShu-Thang Grafix浦野周平さん。そして、壁や天井のヴィジュアルはグルーヴィジョンズさん。

グルーヴィジョンズさんとは代官山店の時からやっていますが、壁や天井といったエレメントの持つ建築性を消したい、建築やインテリアの愚鈍さ・重さから離れたい、という思いから共同創作がスタートしました。個人的には僕は彼らのヴィジュアルは特に空間性を加えることでより活きると思います。今回もまた外苑前のあの場所にふさわしいヴィジュアルになりますのでお楽しみに。

天井ヴィジュアルのごく一部、しかもピンぼけ。

プロフェッショナル

一瞬夢を見てしまった。先制点が決まった時...。あまりにも甘い考えでした。ゴールを決めたプレイは素晴らしかったけど玉田の試合直後のインタヴューには怒りすら覚えました。「自分のゴールでブラジルを本気にさせてしまった.....この試合を自分にとっていい経験にしたい云々」と時々満足そうな笑みを浮かべながら____。その時中田はまだピッチで倒れ込んだままユニホーム?で顔を覆い泣いていました。玉田には中田の涙は永遠に理解できないでしょう。それは、ピッチに立っているにも関わらず全力で走りもしないでたらたらと人やボールの後を追いかけていた中村の涙とも全く違うと思います。
分かったことはどの世界でもプロフェッショナルは少ないということ。僕が知っている世界に限らず、他の世界もそうなんだ、と。負けたことももちろんですが、そのことにもがっかり。
さてさて後はイングランドの応援をしますかね。ルーニーのハットトリックと倉内さん(クラウチ)のロボダンスを希望します。

nature calls me @ satis project


photo by noboru murata

nature calls me @ satis project/augmented reality(gotanda tokyo/2003)

エキシビション主催:INAX & ELLE DECO
ディレクション・空間デザイン:matt
プログラム:柴田祐介(Semitransparent Design
製作:平山徹 & 土屋貴志

INAXとELLE DECOの共同企画による「satis project 夢のトイレ」というエキシビションのために創られたトイレ空間。
日本では音を消す機器があるほどタブーとされているトイレでの音ですが、その音をエサにして生きていく人工生命をリアルタイムでトイレの床全体に投影。「ぶりっ」とか「ぷー」とか「じゃー」といった音によって育ったり死んだりしながら空間自体は変容し続けていきます。


photo by noboru murata

この頃はリアルとヴァーチャル(ビット、ウェブ)を繋ぐということを特にプロジェクトで追求していました。この時が初めてのSemitransparent Designとの共同創作です。まだこの時はSemitransparent Designは立ち上がる前でしたが。

nature calls meは今後もヴァージョンアップを重ねていろいろなトイレ空間に実装していきたいと考えています。

郡司さんの採点は10対10のイーブンです

キターーーー!郡司ペギオー幸夫生きていることの科学。ダッシュで中目黒ブックセンターに行って購入しました。郡司さんの著作が新書で読めるとはおどろき&嬉しい。
それにしてもあいかわらず異常な創刊ラッシュですね、新書は。メガベストセラーの多くも新書ですし。でも僕のまわりに『国品』読んでいる人一人もいないんだけどなー。あれがあんなに売れているのはやはり気持ち悪い。話が跳ぶようですが、同様にサッカーW杯の日本代表を「サムライブルー、サムライニッポン」とか言っているのも気持ち悪いですね。

GRANBELL HOTEL SHIBUYA 内覧会

今日は朝からずっと、mattがインテリア・インフォメーションデザインを担当したGRANBELL HOTEL SHIBUYAの内覧会でした。とは言っても建築設計・監理を担当した都市デザインシステムの主催でしかも急遽決まったので、mattからはごく一部のプレス関係者しか案内できませんでした。

このプロジェクトでは本当ーにいろいろなことを考えさせられました。追々このブログでも書いていきますが、今日のところは内覧会の報告写真をいくつかupしておきます。

渋谷桜丘、以前ルームのあった(今でもあるのかしら?)ところの坂を上ってすぐにあります。

外観はこんな感じ(建築設計は都市デザインシステム)

7/7七夕にグランドオープン。渋谷でお泊まりの際にはぜひご利用ください。予約はこちらから。
ATAKの映像を担当している逢坂くんに映像を撮ってもらうので、できたらまたupしますね。

ワァ!ールドカップ

昨日はやはりサッカーの一日になってしまいました。しかし勝てませんねー。先程すれ違ったギャルの皆さまも「何よ、あいつヤナギサワ!私でも入るよ、あんなの」「ほんとだよねー」って豪快な前蹴りをかましながら憤慨されていました。それはどうでもいいとしてもあのシーンは本当に真っ白になってしまいました。勝利が絶対条件のように言われていたのに、引き分けた途端「よくチャンスをつないだ」ってなっちゃうのには違和感を持ちますが、ブラジル戦はぜひメンバーを大幅に入れ替えて臨んでほしい。絶対に!中田の言う通り走れない選手はいらないです。
また、サッカーの話題になってしまいすみません>サッカーに興味のない皆さま

ホテル無限大 project 000

子供の頃、無限について想像することは畏敬と恐怖を伴う体験で、それがなぜかとても魅惑的でした。考え出すと止めることができず明け方まで眠れなくて、恐怖で泣きそうになりながらでもわくわくしているーということが度々ありました。その時考えていたのは空間的無限と時間的無限です。「宇宙の果てはあるの?その先は?」「時間の始まりって何?始まりのその前はないの?時間の終わりは?」ってやつです。それからもずっと無限について想像し続けていますが、何も分かった気がしません。
最近特にまた無限ブームなのですが、現実空間=情報世界であると考えれば無限ということが少しは捉えられるかもしれません。そこで僕は「ホテル無限大」プロジェクトを企もうと思います。「ホテル無限大」とは数学者ダーフィト・ヒルベルトが考えたとされていてジョージ・ガモフの1,2,3…無限大やジョン・D・バロウの無限の話等にも出てくるお話です。無限な数の部屋のあるホテルで全部部屋がふさがっていてそこに独りの客が来るとホテルの主人は「満室ですが、用意できます」と答えて、1号室の客を2号室に、2号室の客を3号室に、3号室の客を4号室にと順々に移していき、空いた1号室に新しい客を入れてやる。そして今度は無限な数の新しい客が来て.......というお話です。で、これをプロジェクトにしていきたいと思います。前準備として時々(忘れたころに)ここに記録していきますので、興味ある方、賛同される方はコメントください。幅広い研究+創造になります。このサイトに現在開発中のmatt | atlasシステムが実装されれば、プロジェクトを共同創造できるプラットフォームになる予定なので、そこで本格的に進行させていきます。

バロウは「ホテル・ゼロ」を考え、そこのバーではジョン・ケージの「4分33秒」がエンドレスで聞けるーと書いているけれど、「ホテル無限大」での音はどうしようか?>渋谷くん

sign外苑前現場日記 under construction 02

sign外苑前、恒例の現場日記です。
階段の骨組みの設置が終わり壁と天井に軽鉄が組まれ始めてきました。

今日はおまけに現場の工具たちを。

GAS shop


photo by lucinda newton-dunn

GAS shop/media mix(nakameguro tokyo/2002)

クライアント:デザインエクスチェンジ株式会社
プロデュース:夏目彰
空間デザイン・パッケージデザイン:matt
グラフィックデザイン:稲葉英樹

GAS bookやGAS dvd等で知られるGASのショップ&ギャラリー。月に一回テンポラリーなエキシビションが催され溢れるくらい人が集まり盛り上がっていましたね。

実はSF魂全開でデザインしたプロジェクトです。ローテクばかりですが。


photo by lucinda newton-dunn

このプロジェクトではGAS Tのパッケージもデザインしました。モノリス(什器)に磁石でくっつきます。


photo by lucinda newton-dunn

最近読んだ本 読書memo 000

ゲーデルの哲学―不完全性定理と神の存在論(高橋昌一郎/講談社現代新書)
不完全性定理については数学的証明ではなくイメージに留まっていますが、信頼できる文献から丁寧に追っているゲーデルの生涯や神の存在論がとても興味深い。ドウソンの『Logical Dilemmas』が早く読みたいですね。それにしても不完全性定理は本を読めば読むほどに分からなくなっていきます。数理論理学はもちろん集合論もー少しは勉強しなきゃ。マイ・クローンが欲しいです。

感染爆発―鳥インフルエンザの脅威(マイク・デイヴィス/紀伊國屋書店)
近いうちに迫りくるであろうパンデミックへの警鐘。かといってパニックを煽るのではなく、少しの自然科学と多くの社会科学の知見によって分析されながら現状を簡潔に伝えています。相当なスピードで執筆され相当なスピードで翻訳されたと思われるのですが、これは今読まれなければならない本です。

X-Knowledge HOME特別編集 No.6 平野啓一郎責任編集 PUBLIC・SPACE
(平野啓一郎責任編集/エクスナレッジ)
平野啓一郎の小説は読んだことありませんが、これは面白かったです。執筆陣に建築家や都市研究者が少なかったのがよかった。

日本仏教史―思想史としてのアプローチ(末木文美士/新潮文庫)
空海の思想について(梅原猛/講談社学術文庫)
なんとなく空海が気になったので。空海の思想とゲーデルの思想は通じていると思います。

神聖喜劇 (第1巻)(大西巨人・のぞえのぶひさ・岩田和博/幻冬舎)
これを読み始めてついに原作を読むことを決心しました。

ミッションスクール(田中哲弥/ハヤカワ文庫JA)
爆笑時間SFの傑作やみなべの陰謀と同様抜群のテンポで激笑でしたが後半は少しダレたように感じました。でもこの人の新作がまた読めるのは嬉しい。

sign外苑前現場日記 under construction 01

sign外苑前の現場報告第二弾です。
建築の補強工事が終わり、階段の骨組み(部分)が取付けられました。どんな空間においても階段は複数のレイヤーが重なり合う重要なポイントです。特に上下の動きというのは人間の認知にも大きく作用するので全体との関係性も含めてじっくり考えます。今回は特に1フロアが小さいので乗り越えるべき問題も多いです。

螺旋部分を天井から支える構造金物です。これが取付けられると階段全体のボリュームが分かります。

床高を上げる際にコンクリートモルタルで上げますが、今回はビルが相当古く建築補強工事もしたとはいえ荷重に対して不安があるのでこのように発砲スチロール板で高さを上げます。

痛恨の....

負けてしまいました。ピッチ上は本当に暑そうで両チームとも消耗が激しくお互い持ち味が出せない試合でしたが、采配の差でしょうか、オーストラリアは交代で出た選手が効果的な動きをして確実に得点に結びつけたのに対して、日本は交代によって何をしたかったのかが示されず小野も全く生きていませんでした。GKの川口は久々に当たっていました。アトランタオリンピックでのブラジル戦なみに当たっていました。しかし、フリーキックを再三止めた後のあのフリースローのシーンで川口は(当たり過ぎて)調子に乗ってしまったように見えました。だからといって負けた原因が川口にあるわけではありません。サッカーに限りませんが大小様々な原因が絡み合い結果に繋がります。それは負けたという結果や失点したという結果に限らず勝つという結果でも得点したという結果でも同じです。とにかく後は勝ってほしいと思いますが、最低限2002年日韓大会の時のように選手たちが不完全燃焼のまま終ることがないようにーそれだけを願います。

OFFICE外苑前


photo by tetsuya yamamoto

OFFICE外苑前/cafe(gaienmae tokyo/2001)

クライアント:株式会社トランジットジェネラルオフィス
プロデュース:中村貞裕
空間デザイン:matt
製作:高橋正行、土屋貴志
グラフィックデザイン:黒田益朗

「みんなの仕事場」をコンセプトにしたカフェ。現在リニューアル進行中のsign外苑前と同じビルの5階にあり、トランジットジェネラルオフィス中村貞裕氏との最初のプロジェクトです。できた当初は僕自身も本当にセカンドオフィスのように利用していました。実際にここの空間をきっかけに生まれたプロジェクトもいくつかあります。JAM HOME MADEと共にmatt初期の原点となるプロジェクト。


photo by tetsuya yamamoto


photo by tetsuya yamamoto

keiichiro shibuya live @UPLINK FACTORY

先述しましたATAK渋谷くんのソロライブに行ってきました。
立体音響による初めてのライブ体験はまさに未知との遭遇。30人前後の人が部屋の中央に固まって座っている光景はまるで集団人質のようで可笑しかったのですが、照明が落ちてスタートし始めるとすーっと別空間に連れて行かれてしまいました。ローレンツ・アトラクタによる音の軌道はまったく予測不能で耳という機能を超える音体験でした。渋谷くんにも直接話しましたが、途中から動きたくて動きたくて仕方なかった。あの空間でさらに「体験者の動き」を加えて考えてみることに興味があります。とても難しい問題ですが。

スタジアムのデザイン

あらゆるところで書かれていてもううんざりという方も多いでしょうし、サッカーなんて全く興味なくて迷惑にさえ思っている方もいるでしょうからここで書くのはやめようかと思いましたが、やはり書かずにはいられません。ドイツW杯がついに始まりました。本当はドイツのディフェンスの脆さだとかポドルスキの左足の凄さとか書きたいのですがぐっとおさえてデザインのことをースタジアムのデザインについて少しだけ書きます。

開会式から引き続いて開幕戦のドイツ×コスタリカが開催されたミュンヘン・ワールドカップスタジアム(通常のリーグ戦使用時の名称はAllianz Arena/アリアンツ・アレナ)。白く光っていましたね。

http://www.allianzarena.jp/

設計はHerzog & de Meuron/ヘルツォーク&ド・ムーロン。旭硝子のETFEフィルムで覆われた外観は、ドイツ代表の試合では白に、1860ミュンヘンの試合では青に、バイエルンミュンヘンの試合では赤く発光します。その様子に見惚れてしまって事故を起こす人が多数出るくらい美しいのですが、それだけではありません。ETFEフィルムは日射の透過率はなんと90%を超えるそうです。その結果天然芝に最も重要な太陽光をたっぷり取込むことができます。さらには軽くて曲面も容易に作れて汚れにも強いという旭硝子自信の高機能素材なのです。ぜひ実際に行って見て触って体験してみたいです。
高機能・多機能というと無意味な機能を増やすだけのものが多いのですが、スタジアムらしからぬ妖しい美しさと天然芝のスタジアムにおいて最も重要な太陽光を取込むことを一つの素材で両立しているのは秀逸です。
football狂いの僕としてもアリアンツに負けない、footballを愛する人びとを唸らせるようなスタジアムをいずれデザインするつもりです。スタジアムの改修をお考えのクラブチームのみなさま、またクラブチームを誘致しようとお考えの自治体のみなさま、ぜひ御一報ください。何もレスがなくても近いうちにmatt | atlasでリサーチから企画デザインまで追々公開してこうと思います。

ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所解散

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060609AT1D0905O09062006.html

ちょっと驚きました。設立して2年で解散とは...。ここ数年、商品としてのソニーブランドには特に魅力を感じることはありませんでしたが厳しい状況下でもCSL(ソニーコンピュータサイエンス研究所)を続けていたりソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所を起ち上げたりするソニーを応援していたのですが。残念ですね。

ちなみにインテリジェンス・ダイナミクスの成果として脳・身体性・ロボット(シュプリンガーフェアラーク東京)という本が出ています。この中の谷淳氏のアプローチはとても興味深いです。続刊が予告されていたのですがどうなるのでしょう。

以下は今年の4月7日に開催された「インテリジェンス・ダイナミクス2006」の後に書いたメモです。

2006年4月7日
シンポジウム「インテリジェンス・ダイナミクス2006」。
茂木健一郎氏の本業トークを久しぶりに聞きましたがキレキレの飛びまくりでした。茂木さんも活き活きしているように感じましたし聞いている側も面白かった。「脳の自発的ダイナミクスを通した偶有性の能動的認識→創造性」まさに。インターネットと脳の関係性の話がもっと聞きたかった。僕自身がmatt | atlasでずっと考えてきていることなので。茂木さんのトークの思考・行為そのものが脳の本質を表しているような気がしました。
小嶋秀樹氏と田中文英氏の子供とロボットのインタラクションについての観察報告を見て気になったのが、いずれも即応的なインタラクション(=コミュニケーション)に落とし込むことによって日常の不確実な状況でのコミュニケーションへの能力が弱まるのではないかーということでした。田中氏に、ロボットとのコミュニケーションを経験した後の子供たちがその後の通常のコミュニケーションに何か影響があったかどうかを質問したら、それに関してのリサーチはしていないとのこと。小嶋氏の方の自閉症の子供たちに関してはもしかしたらあのようなインタラクションがコミュニケーション能力にポジティブに働くということがあるのかもしれません。
もう一つ全体を通して気になったのは、科学にしても工学にしても環境への言及は理論レベルでは強くされているのにも関わらず、実験やシミュレーションになると環境へのアプローチがほとんど感じられなくなるということです。こういうできていない部分というのは逆に可能性を残している部分であるし、mattはここに切り込んでいきたいと考えています。質問コーナーでの、経験と記憶の差異についての池上高志氏やアンファミリアとファミリアの問題についての浅田稔氏のツッコミも含めて興味深かったです。
お昼からの帰り道で池上さんに会い一緒にいた谷淳さんを紹介される。池上さんには聞きたいこととかあったのですが途中で帰ってしまいかないませんでした。

JAM HOME MADE_2nd


photo by tetsuya yamamoto

JAM HOME MADE_2nd (sendagaya tokyo/2001)

クライアント:株式会社JAM HOME MADE
ディレクション・空間デザイン:matt
サウンド:carsten nicolai

アクセサリーブランドJAM HOME MADEの2号店。
音で感じる空間シリーズ第二弾です。1号店の無響空間に続いて2号店はとてもとても暗い空間です。カールステンのホワイトノイズ+LEDライトによる不可視のスクリーンによって動く人は空間を感じます。商品は全て壁面の引き出しにディスプレイされていて、それを引き出すと直接触れることができます。

池田亮司のライブ Ryoji Ikeda C4I(正しくはCの4乗I) + datamatics [prototype]

池田亮司のライブ@東京国際フォーラムに行ってきました。Dumb Typeやcyclo. は別にして池田さんのソロのライブは2001年のArs Electronica以来でした。最初のC4I(正しくはCの4乗I)はDumb Typeの池田亮司とソロの池田亮司が重なり合ったように感じました。datamatics [prototype]はイメージを圧倒する体験ー特に今回は4次元座標空間の映像に没入しました。もちろん池田亮司のライブは音と映像が分離しているようなものではありません。Arsの時は空間を圧するかのような音体験だったのですが今回は映像の方が強かった。この差異はおそらく僕自身の経験深度の差からくるものだと思います。ATAKによる音体験はやはり大きいです。
今週は土曜日にそのATAKの渋谷くんのライブもあります。楽しみ。

ライブの後、夢の島で行われたLOUIS VUITTONのパーティへ。こちらも全然違った意味で圧倒的でした。

ということでmatt | atlas開始です。まぁ、始めながら少しずつ創っていこうと思っています。

sign外苑前現場日記 under construction 00

sign外苑前のリニューアル工事が始まりました。
signは株式会社トランジットジェネラルオフィスがプロデュース・運営している「街の目印/待ち合わせを楽しむ」をテーマにしたカフェです。一号店が外苑前に2002年にオープンして、その後二号店が代官山にもオープンしました。今回は本店である外苑前店のリニューアルです。

ビル自体の古さが内装を撤去するとするとよく分かります。

2006年7月中旬オープン予定です。お楽しみに。

JAM HOME MADE_1st


photo by tetsuya yamamoto

JAM HOME MADE_1st (sendagaya tokyo/2000)

クライアント:株式会社JAM HOME MADE
ディレクション・空間デザイン:matt
サウンド:carsten nicolai

アクセサリーブランドJAM HOME MADEの1号店。
アーティストカールステン・ニコライとのコラボレーションによる音で感じる空間シリーズ第一弾です。小さな無響空間の中で人が動くとインタラクティブに音の発信位置が動き、その動きによってより能動的に商品に触れることができます。


photo by tetsuya yamamoto

about matt

「コミュニケーションの可能性ー現実の拡張」としての空間デザインに取り組むデザインチーム。インテリア・建築デザイン、インフォメーションデザイン、インタラクションデザイン、アートディレクション等幅広い領域でコミュニケーション空間を創造しています。

myeong-hee lee  李明喜
デザインチームmattキャプテン(代表)。