都市の余白
打ち合せで東雲のキャナルコートCODANにあるTRICO DESIGN LOVE!へ行く。TRICOの代表佐伯氏とは僕がmattを始める前からの友人で、デザインユニットAIRCONDITIONEDのメンバーとして一緒に活動もしています。デザイン(に限りませんが)を本気で探求し続けようとすることは実はとても孤独な道程なのですが、そんな中で佐伯氏は「よしまだまだ僕もできる、もっともっと僕も創りたい!」と思わせてくれるデザインの界隈では非常に希有な存在です。
そんな彼が原宿から東雲に移ると聞いた時は驚いたし、今でも「遠いなー、何でここなんだろー?」って来るたびに思ってしまいます。元々三菱の軍需工場があったこのエリアは都心とは違って道幅は広いし人もまだ少なくて余白が一杯あります。それには可能性を全く感じないわけではないけれど、結局従来通りの二十世紀的な都市開発に余白が潰されていくことは容易に想像できます。しかし、原宿でもデザインの実践を通して独自のフローを起こし続けた佐伯氏が何らかの企みを持って東雲へ移ったことは間違いありません。従来通りの大規模都市開発からは単なる消費しか生まれません。それとは違う位相から街の生産力・創造力へつながる機会が生まれます。
TRICOの活動、東雲のこれからに注目したいと思います。