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溶解

29(火)はセミトラ(Semitransparent Design)の田中くん、柴田くんと打ち合わせをしたり、E&Yの宮武さんが来たりしてしゃべった以外は来週頭のプレゼンのための創作に没頭。翌朝にCGを製作してもらう高須賀くん(mattの元スタッフ)との打合せがあるためにプラン等をまとめなければなりません。僕自身がデザインのプロセスとして可能な限り(というより限界を超えて)ギリギリまで線にはしない形を作らないというのを実践しているので最後の方は超高密度な作業になります。線にした時点、形を表した時点でどうしても僕たちは確実に影響を(意識・無意識ともに)受けてしまいます。空間を作ることは止める作業ではないことを実践していくためにはデザイン創作のプロセスから止めない、線をひかない創造をギリギリまでやり続けなければなりません。こういうことの可能性をより高める空間デザイン創作プログロムを開発したいと切に思います。誰かそういうことに興味のある素敵なプログラマーさんいませんかね?

そんなこんなで極めてアナログにやり続けて、夜も明けてノンストップで高須賀くんとの打合せ。それに続いてさらには「深紅プロジェクト(仮)」の打合せのためにnotosへ。この頃になるとかなり頭も体も環境に溶解しはじめて自分の体の領域がはっきりしない感覚に。何だか妙なことを発言して笑われていたような気がしますがよく憶えていません。夢を見たことははっきり憶えているのに内容は全く思い出せない時の感覚に近い。mattに戻って雑務をやっていましたがさすがに今日は早めに上がりました。極度に疲れて眠いはずなのですが夜はなかなか眠れず。眠れないというか意識はあって音は聞こえているし猫がベッドに上がって来たのも意識しているのですが、身体は反応できない感じでした。数年前までは完徹で仕事続けてもこんなことなかったのになーとか思いつつようやく落ちました。

スケーターとミース

今日は朝一番からの打合せに始まり、打合せの連続でした。打合せの用にクローンか分身の術がほしい。(また言ってる)

スケートボーディング、空間、都市―身体と建築をパラパラと読んでいます。その中で「(ミース)ファン・デル・ローエの広場にある磨き上げられた大理石の平面が、シカゴのスケートボーダーたちにとってのメッカである」という記述がありました。昨年ベルリンを訪れた時にミースの新国立ギャラリーに行くと閉館中で人はいなくて中身も空っぽだったのですが、敷地内で2、3組のスケーターたちがやっていました。その時にまさに空っぽで開けた新国立ギャラリーとスケーターたちが絶妙に合っているように感じたのですが、スケーターにとってミースの空間は「自然な芝生」なのだそうです。カルスタとか抜きにして素直に空間論として面白いです、この本。にしても本の中身と装丁が全く合っていませんね。こういう本がそもそも重いということにも問題ありますが。

生きていく建築

久しぶりに原宿方面を歩いていて明治通り沿いに不気味なビルを発見。ガラスの多面体でよくあの場所で施工したなーという感じなのですが。調べてみるとThe Icebergという複合商業ビルでメディアでも紹介されていたようです。
http://www.japan-architect.co.jp/japanese/2maga/sk/magazine/sk2006/sk07/work/17.html
うーん、これから動き出すビルなのに既に死んでいるように見える。まだテナントが決まらないのかどうか分かりませんが新しい廃墟に見えました。

その後TOD'SやdiorやONE表参道やPradaを見たのですが、Prada以外はどうにも賞味期限切れに見えてしまう。Pradaはあの場所に造られてから動態として生き続けているように見えます。(芝生は枯れちゃったけどね)この建築はヘルツォーク&ド・ムーロンにとっても新しい段階に踏み出した作品だと思います。構造と表層、そして内部空間やオペレーション、人やモノの流れ等の異なるレイヤーが見事にプログラムされていているなーと改めて感心したのでした。

酔う

トランジットジェネラルオフィスの中村氏とsign代官山で打合せ。あいかわらず中村くんは忙しそう。トランジットさんが腰越海岸で運営している海の家KULAでは昨日BIKINI SHOCK '06という素敵!なイベントをやっていて、中村くんにも誘われていたのですが昨日はヘビーなものも含めて打合せが続いたため行けませんでした。ー残念。

夜、レイトショーでUNITED93を見ました。僕は今まで乗り物に酔ったことはなかったのですが、この映画で初めて乗り物酔いを体験しました。(大スクリーンで体験すれば分かると思います)とにかく強烈に生々しい映画です。僕はこの映画の監督ポール・グリーングラスのことを知りませんでしたが、ブラディ・サンデーもぜひ見てみたいです。

pluto

冥王星は「惑星」ではなく「矮惑星」というものになったそうです。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0608/25/news025.html
カール・ポパーは科学の定義として、「科学理論は実験(客観的データ)によって反証出来なければならない」と言いましたが、今回の手続きは「実験(客観的データ)による反証」とは到底言えません。科学はいくら実験(客観的データ)を積み重ねて到達した事象でも結果としてとらえてはいけないのだと思います。終わりなきプロセスの一地点なのだから結果を知識として得るのではなくその地点における進行形の思考のプロセスに参加することが重要です。もちろん参加の度合いは科学者から小学生や理系嫌いの大人まで様々ではありますが。

環境について活動されたり日常の暮らしの中で意識されている人に多くあることですが、数値化された(客観的だと思われている)データ(結果)や環境についての社会的キーワード(トレンド)については詳しいのですが、動態としての自然科学全般への好奇心はほとんど持っていないということがあります。環境について考える上でのまず最低限持たなければならない基礎意識だと思うのですが。かつて、そういう好奇心=センス・オブ・ワンダーを源にあらゆる領域を研究するラボを創ろうとしたこともありました。残念ながらそのプロジェクトは計画変更になり実現しませんでしが、またいずれトライしたいと思います。

冥王星で思い出しましたが、PLUTO (3) ビッグコミックの続刊はいつ出るのでしょう?コミックを楽しみにするためにビッグコミックオリジナルは読まないようにしていますが焦らされますねー。早く続きが出ることを希望します。

黒い時計の旅

午前中、西麻布で打合せを終えて青山ブックセンター六本木店に立ち寄る。探していたものとは全く違ったのですが、東京裁判への道(上)黒い時計の旅等購入。東京裁判への道(上)は映画太陽を先日見ていて気になったので。黒い時計の旅はフィリップ・K・ディックの高い城の男(僕のディックベスト3の一つ)と並び称されていますが、パラパラめくったところずいぶん違った感触です。いずれにせよスティーヴ・エリクソンは初めてなので楽しみ。実は黒い〜も映画太陽からの流れだったりします。

Dice-K氏の次へ向かう力強いコメントを見てほっとしました。
http://www.dice-k.com/0224/1457.html
ささやかながら今後も応援したいと思います。

BAY QUARTER

8月24日にオープンするBAY QUARTER YOKOHAMAのレセプションパーティに行ってきました。このプロジェクトのプロデュースを担当された北山創造研究所さんからのお招きで。横浜はかなり久しぶり。元々三菱倉庫だったというその場所は、海を感じ、風を感じ、空を感じ、夜を感じ(コピーにならってみました)ー本当に気持ちよかったです。いつも言うようにどんな空間もオープンしてからがスタートですから、これから人や店舗や情報が環境と絡み合いながらどのようなダイナミズムを生み出すのか楽しみですね。

みなとみらい方面に開けていて、眼下をシーバス・マリーンルージュが滑っていきます。

フォトジェニック

フォトグラファー山本哲也氏に撮ってもらったsign外苑前の写真が上がったので見せてもらいました。このブログでも使わせていただいていますがプロジェクトの写真を撮る時は山本さんに頼むことが多いです。山本さんは元々建築・インテリアは専門ではなく、ハワイ等のランドスケープ的な写真から人物まで幅広くマイペースに撮り続けているフォトグラファーで、特に自然光と空気の捉え方が非常に優れています。僕自身は建築・インテリア写真に多く見られる静的でフォトジェニックな写真には興味がありません。しかし、フォトジェニックな写真が多くの建築・インテリアの空間デザインとの親和性が高い、つまり空間デザインそのものがフォトジェニックなモノを作っているに過ぎないーという状況が未だにマジョリティとして存在し続けています。まあ、それはある意味でデザインする側(建築家やインテリアデザイナー)とフォトグラファーとが共犯関係だとも言えますね。いずれにしても写真に撮られたもの/ことと実際の空間は別のもの/ことであるということを自覚しなければなりません。

夜中にとても残念なニュースが....
http://www.dice-k.com/030201/1456.html
「メディカル的な理由」としかアナウンスされていなくて詳しいことは何も分かりませんが、とにかく今は残念としか言えません。

花火よりテニス

同じようなタイトルを使い回してしまってすみません。
夕方リフレッシュのために等々力のオートテニスへ。こんなに暑い中テニスなんてリフレッシュどころではないーと思われるでしょうが、その通りでした。半室内のオートテニス場は風通しもほとんどなくサウナのようでした。しかし、そんな暑さの中で一心不乱にボールを打ち続けていると頭と体がふーっと軽くなり何だか少しいい気持ちに。

学生の頃でしたが、お盆休みに(ちなみにその年は記録的猛暑で気温は35℃を超えていました)友人と二人で近所にあった会社のテニスコートに金網超えて忍び込んで朝10時頃から夜7時くらいまで黙々と打ち合うという今では考えられないようなハードプレイを二日続けてやったのですが、それを思い出しました。その時は1日に一人でポカリスエット2ℓを4、5本飲み干した気がする。肉体の限界を超えて打ち続けていると技術的にも突然スーパーサイヤ人にでもなったかのように飛躍的に進化する瞬間というのがあります。進化というよりぐーん!っと掴むかのような瞬間というかギュイーンっと跳ぶかのような瞬間というか...。スポーツ合宿したいですね。テニスでもサッカーでもスノボでもボクシング(かつて体育会ボクシング部だったので)でもいいのですが、合宿を。誰か合宿しましょうよ。

オートテニスやっている時にドンドン鳴っていましたが多摩川花火大会(川崎)があったようです。かまわず打ち続けましたが。

もっと高く

いよいよ動き出したプロジェクトS(仮名)のファースト(ラフ)プレゼンがありました。クライアントの「どこにもない新しい場所を創る」ことへの思いは僕たちの想像を超えていました。すごく嬉しいとともにヒリヒリとした緊張感も感じて、心地よい興奮状態になってしまいました。もっと深く深く潜ってもっと高く高く跳びますーこのプロジェクト、このチームで。さらにプレゼン後のお食事会でフランクなコミュニケーションができたのでより意識が共有できたと思います。(めちゃめちゃ美味しい焼き肉をごちそうさまでした!)

今回のプロジェクトのための参考文献リスト
サイバースペース(マイケル・ベネディクト編/NTT出版)
アンビエント・ファインダビリティ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅(ピーター・モービル/オライリージャパン)
インターフェース革命(ジェフリー・F・レイポート&バーナード・J・ジャウォルスキー/ランダムハウス講談社)
SNSビジネス・ガイド Web2.0で変わる顧客マーケティングのルール(斉藤徹他/インプレスジャパン)
信用ゲーム―おかねって何だっけ?(NTTインターコミュニケーションセンター/NTT出版)
暗黙知の解剖―認知と社会のインターフェイス(福島真人/金子書房)
etc.

NEO2

NEO2というスペインの雑誌の取材がありました。場所は今年起動した空間『akiba 1LDK+檜風呂』で。『akiba 1LDK+檜風呂』は9月に(もう目前です!)宇宙に行くDICE-K氏のプライベートオフィス兼ゲストハウスで、mattがDICE-K氏と共にディレクション&デザインを担当したプロジェクトです。現段階は基本空間はできあがっていて、次の段階としてはDICE-K氏が宇宙から戻った後にコンテンツを中心にヴァージョンアップしていく予定です。

空間の主がずっとモスクワで訓練中なのでほとんど使われていないので空調が集中監理=コントロール不能状態だったので汗をかきながらの撮影&インタビューでした。天気のいい日は富士山も見えるのですが残念。NEO2のJesusも汗を拭いながらでしたが楽しそうに空間はもちろんですがガンプラやSegwayやらも撮影していました。東京特集ということでDVDになるそうです。偶然なのですが、この特集にはATAKトランジットジェネラルオフィスも登場するそうです。最後のインタビューは暑さと睡眠不足で朦朧としていたため意味不明なことを言っていたような気がする。うー。

その後は戻って明日のプレゼンのための準備に没入。

花火よりサッカー

アニキ廣澤さんに率いられて骨董通りあたりで打合せ。アニキと一緒だと心強いです。今日行ったところは僕と同じ年に生まれた会社でした。みんなでどーんとふくらませましょうね。夕方からは西麻布で別件の打合せ。僕が勘違いしていました、作るべきツールを。明後日のファースト・プレゼンに向けてほとんど時間ありませんが全力で修正。

だけど、その前にサッカーだけは見ました。今日は神宮花火大会に行く方が多かったようですが、僕は花火よりサッカー。新体制の公式戦初戦ですから。で内容ですが、まあそんなに簡単にうまくいくわけはありません。とくに前半は引いた相手に無理な中央突破を繰り返してことごとく失敗するという旧日本代表でよく見られた最悪のパターン。羽生や佐藤勇人が入ってサイドに開く動きが出てきて少し活性化しましたが。それにしてもアレックスはいらんでしょう。親善試合でゴール決めたり活躍したかもしれないけれど、彼のサッカーは空間も時間も狭すぎます。ジーコが彼を選んでいたのは理由が分かりますが、オシムが彼を選んでいる理由は分かりません。後半羽生が何回も左サイドに開く動きを見せていたのにアレックスはことごとく無視していました。新生日本代表には適合しないと思います。全体としてはよくはなかったしオシムも選手もサポーターも納得してはいないでしょうが、そんな中で少しながらも対応力を見せたということはやはり期待できるでしょう。一刻も早くこのチームに松井が加わるのが見たい!

われは海の子(だった)

毎年お盆の頃はなぜかやることが多くお盆休みというものがとれません。とは言ってもこの時期は多くのみなさんはお休みなので電話もかかってこないし外部の方との打合せもないので、考えることやスタッフとのコミュニケーションに没頭できてとても快適です。ただ、今年は一緒にお仕事に取り組んでいる皆さんもお盆休みなど関係なく仕事されているようで先週今週と打合せが一杯。プレゼンもいくつか控えているので今年は海にも行けません。なんて本当は海なんて昨年も一昨年も行ってません。小学生までは毎年夏休みは毎日(お盆過ぎくらいまで)朝から晩まで海で遊んでいました。(歩いて5分で海水浴場だったからね)毎年3、4回は脱皮しているようなベタな海の子。海は極至近な生活環境の一部だったので「行く」という行為を意識することがありませんでした。今もせめて自転車で行けるくらいだったらいいのですが。

Segwayのアウトドアに特化したモデル「x2」かっこいいですね。これで海に行けたらいいのに。

太陽

アレクサンドル・ソクーロフ監督の太陽を見ました。上映館が非常に少ないこととお休みというのもあって立ち見がでるほどの混雑。昭和天皇を一個人として描いた悲喜劇。本当に笑いどころも満載なんですよ。特に昭和天皇と科学者(研究所所長)とのシーンは爆笑しました。その一個人の内における悲喜劇性を演じるイッセー尾形はすごいと思いました。昭和天皇を見たアメリカ兵が「チャップリンに似ている」と騒ぐシーンがありますが、僕としてはイッセー尾形がチャップリンにダブって感じました。

歴史については、事実(だと考えられている事)の積み重ねによって知るーということも大切ですが、フィクションという手法によってイメージ=感覚するーということも大切です。この映画において「こんな事実はない」等の議論は意味を持ちません。

基本的に静かな映画なのですが、かすかに流れる暗号通信のノイズや羽音、誇張される鉛筆の音、そして最後のバッハの「無伴奏チェロ組曲第5番」に玉音放送をかぶせたり等、音も面白かったです。

映画『太陽』オフィシャルブックを思わず買ってしまいました。

ローレンス・ハルプリンとJ.ジェイコブズ

notosで新プロジェクトの打合せ。アニキ廣澤さんを中心に軽くスパーリング。ローレンス・ハルプリンというランドスケープ・アーキテクトのことを初めて知りました。ローレンス・ハルプリンはまちづくりや環境デザインのプロセスにワーク・ショップを採用し多様な市民の意見・考えについて合意形成しながら進めましょうーというようなことを提唱したそうです。でも、そのようにプログラムできるような単純な問題ではないと思いますが。特に都市においては意見・考えを示せない、もしくは持つこともできない市民もいます。今まで掬えなかったものをより大きくより広い容器で掬いましょうーという発想には危険なところがあります。どんなに容器を大きく広くしても掬えないものが必ずあるということが隠蔽されやすいから。見えない、見えにくい部分にこそ重要なことが隠されています。(もちろんローレンス・ハルプリンについてはもっと学習します)

というわけでやはり都市の考察としてはJ.ジェイコブズ(今年4月に逝去)のアメリカ大都市の死と生。早く山形浩生氏によって全訳されることを希望します。

hurricane films

hurricane films/office(sendagaya tokyo/2001)

クライアント:hurricane films Inc.
コーディネート : 長崎義紹
空間デザイン:airconditioned

広告制作プロダクションのオフィスのファサード&インテリアデザイン。このプロジェクトはairconditionedとして佐伯仁くんと僕の二人で取り組んだプロジェクトです。

強烈な蛍光グリーンのエントランスから入ると、広告制作プロダクションならではのコンテンツを使った様々なインタラクションが出迎えてくれます。

ミーティングルームをオーディションに使う時は椅子が棚になり充分な空間が生まれます。

走り続けるよ

今日は朝から都内某所の建築現場に視察に行きました。安全第一ヘルメットをしっかりかぶって探索です。特に規模の大きい現場で思うのですが、建築が竣工してからよりも建築工事中の方が遥かにわくわくしてしまいます。それは既存の建築という行為がコトを止める・線を引く行為の結果になっているからです。多くの建築が持っている愚鈍さはそこから来ていると思います。今回のプロジェクトでは特に止めない・線を引かないということをどう実装するかが重要です。

夕方からは例の「赤(仮)」の打合せ。今日はがんがんにアイデアスパーリング。盛り上がりましたし、かなり進みました。人が複数集まったらやはりスパーリングに限りますな。それにしてもこのミーティングのスケージューリングには問題がありますよ。今日はオシム・ジャパンの初戦なのに.....。しかもあれほど注意していたつもりなのに前半の途中結果をネットで思わず見てしまった!

というわけで日本代表×トリニダード・トバゴ代表の試合を録画で見る。肝心のジェフの選手がA3のために招集されなかったのはとても残念。途中いくつか目を見張るようなワンタッチによる展開あり。しかも速い!も、も、もしかしてこれは期待できるのでは。後半はオシムが言うように走れない選手がいて間延びしていましたが、ジェフのメンバーやU-21のメンバーやル・マンの松井らが加わってこの意識&実践を続けていったら見たことのない代表チームが見れるのでは!!!過剰な期待はいけませんがわくわく感が止まりません。

U-21始動

久しぶりのサッカーネタです。サッカーに興味ない方はスルーしてください。

北京五輪を目指すU-21日本代表×U-21中国代表の試合がありました。代表全体としてはオシムー反町体制になってからの初戦です。ジーコ監督の時代、ほとんど若手が登用されず僕もあまり若手をチェックしていませんでした。しかしドイツW杯後に観察してみると才能ある若手がJにたくさんいるじゃないですか。やはり偏った世代の選手しかいないチームは面白くないし可能性も小さいです。そのことはジーコジャパンが証明してくれました。これからは幅広い世代の選手をヨーロッパもJも追っかけたいと思います。

さてU-21日本代表ですが、まだ練習して1週間ということもあり明確なチームコンセプトが体現できたとはいえないでしょう。しかし、超アウェイの中国で後半は走り勝っていたというのは素晴らしかった。前半から中頃にかけては圧倒的に押されていましたし、中国のゴール前での詰めの甘さにも多いに助けられたとはいえ、最後まで走り抜いたというのは本当に評価できます。ドイツW杯での日本代表にはできなかったことですから。期待の中盤は一対一では完全に負けていました。特に注目していた梶山は玉際の強さは見せていましたが運動量が少なすぎてこれからの代表チームの方向性には今のままではついていけないのでは。ただ、この代表の方向性に乗って運動量が加わっていけば梶山は恐るべき選手になると思います。DF勢は今までの代表DFと比べて全体的にスピードがそこそこあるのでそこを徹底的により強化してほしい。本来はこのチームにジェフの水本もいますしね。全てのポジションでスピードは必須になります。それからGK西川はフル代表にもいれて育てたらいいと思う。川口は口で教えるのは下手そうですが側で一緒に練習させるだけでも意味があると思います。

細かく書くときりがありませんが、まあ結果以上にやたらと期待感を感じたことは事実です。この中から半数、少なくとも1/3くらいはフル代表に上がって松井や阿部、今野らとチームを構成していくことを期待します。U-19にもデカ森島等楽しみな選手いますし。メンバーが不完全ではありますが水曜日のオシムジャパン初戦も楽しみ!その前にA3のジェフ×ガンバ戦もあるし、サッカーバカにとってはW杯が終わってもなんだか楽しみモリモリなのでした。

最近読んだ本 読書memo 002

ヴァーチャルとは何か?―デジタル時代におけるリアリティ(ピエール・レヴィ/昭和堂)
「ヴァーチャルなものは決して決してリアルなものと対立するものではない」ということは僕自身も共有している前提です。著者はリアル/可能/アクチュアル/ヴァーチャルを異なった四つの存在様態として捉えることでヴァーチャルについての概念を掘り起こしています。実践の中での言語化はまた別のタスクとしてやり続けなければなりません。それは決して従来のVRシステムの開発等ではありません。

徹底討論 私たちが住みたい都市 身体・プライバシー・住宅・国家 工学院大学連続シンポジウム全記録(山本理顕 編/平凡社)
都市についてのこれからを建築家が提示できなくなっているということ、そしてその状況に対して建築家たちが自覚さえできていないことを表しているーという意味でとても面白かった。(特に『国家』磯崎新×宮台真司)このようなシンポジウムを企画した山本理顕氏は自覚的なのかもしれません。ただ、建築家に対する討論相手がもっと多様であればより面白かったと思います。

インターネットの法と慣習 かなり奇妙な法学入門(白田秀彰/ソフトバンク新書)
HotWired Japanでの連載中から時々読んでいたので楽しみにしていました。「インターネットの」ということよりも法思想の流れや個人と権利=法についてのイェーリングからの引用等が興味深かったです。特に個人と権利=法については実際に考える場面が連続しているので。

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ(福井健策/集英社新書)
上記の流れで、こちらも。こちらは著作権に絞られた分かりやすい入門書。

バイオポリティクス―人体を管理するとはどういうことか(米本昌平/中公新書)
この本に限らず状況は理解できます。ただ、やはり科学・技術と政治・経済が繋がる上での重要なインターフェイスを僕たちは未だ持ち得ていません。

ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか(入不二基義/NHK出版)
「....「私」の強度を上げることが、同時に「私」を消去することへの接近である。」に至る過程はちょっとわくわくしました。しばらく前から課題図書になっている鬼界彰夫のウィトゲンシュタイン本も読まなければ。それからこのシリーズは小著ながら本当に秀逸な作品が多いですよ。(全て読んだわけではありませんが)

啄木・ローマ字日記(石川啄木/岩波文庫)
なぜか久しぶりに石川啄木。といってもこのローマ字日記は読んだことがありませんでした。ストイックさもスッパさもユルさも全てが激烈過ぎます。書棚から新編 啄木歌集を引っぱり出して読んでしまいました。

個人と

続いている問題の解決に向けて奮戦中。そのために予定も狂ったりしていますが、ご迷惑をおかけしているみなさま本当にごめんなさい。
個人と組織、そして個人と権利=法について考える、考える、考える......。

ナツアカネ

せみがジージーと鳴く目黒川沿いを歩いていると赤とんぼが飛んでいました。せみと赤とんぼーすごく不思議な感覚。「アキアカネは秋なのになー。ってことはナツアカネだ!」などと思いながらゆるりと赤とんぼを追いかけたけれど、川面をするりとすべって行ってしまいました。

夜はさやかさんのところ-notosで「赤(仮)」のブレスト。 油断していたのですが、亀田の試合やってるじゃないですかー。しかし時既に遅し。あきらめてブレストに没入。「赤(仮)」は深度を深めました。ここからがさらに大変ですが。その後ご飯食べながらコピーライターの廣澤さん、さやかさんと別件の打ち合せ。

亀田の試合は後で見ました。判定の件は亀田個人のレベルの問題ではなく別の次元の大きな問題です。勝つことを前提として年末調整していた電通やTBSの件も亀田自身にはおそらくよく分からない話でしょう。ただ誰か言ってあげなきゃ、「亀田くんかっこ悪いよ」って。

大きい

ハイパー・アクティブ・スタジオの伊能さんがmattに来ました。伊能さんは照明、特に舞台照明や建築照明のスペシャリストです。今日はLEDの新しいプロダクトのデモが目的だったのですが、久しぶりに二人で話したので盛り上がってしまいました。話題は光そのものの話から「技術2.0」や組織論等々、いつものごとくあちらこちらに散らばっていったのですが最後はなぜかまたイーガン笑。分かったことは伊能さんは最近お腹が空いているーということ。僕もいつもお腹空いていますが。

夕方、「キー」「ガシャガシャガー」「うわーーーーーん!」って音が連続で聞こえてきて外を見ると、目の前の通りでなんと救急車!がキックボードに乗っていた少年をはねたようでした。救急車は患者を搬送中ではなかったようですが若い救急士さんはそうとう動揺しているようでそのままその救急車で搬送しそうな勢いでしたが、他の救急士らが落ち着いて少年の応急処置をしてパトカーと別の救急車を呼んでいました。幸い少年のけがは軽症のようで意識もしっかりしていました。このmattの前の通りは普通車同士が対向しただけでギリギリの細い通りなのですが多くの車が山手通りの裏道として使っているのですごいスピードを出していることがあり非常に危ないなと思っていました。僕自身、自転車に乗っていて車にかすめられたこともあります。

道路では絶対的にサイズの大きいものが圧倒的な力を持っているので、大きいものほど自身が力を持っていることに自覚的でなければなりません。これは道路の話に限ったことではありません。サイズとしての大きさだけでなく力、権力、組織、声、エネルギー等々。全て大きいものほどより自身の大きさに自覚的でなければならないと思います。にも関わらずほとんどの大きなものたちはその大きさ故に身体感覚を失って(麻痺して)しまい自身の大きさを意識できなくなっています。

いいアイデアを思いつきました。車が例えば歩行者をはねた時には車の運転者にもはねられた歩行者が受けるのと全く同じ衝撃が還ってくるようにするというのはどうでしょう。車に限らず権力や組織にもこのアイデアが適用できればいいですね。

sim. -as we may think-

sim. -as we may think- /communication & augmented reality(ginza tokyo/2004)

プロデュース・ディレクション:matt
音声認識システム:hiroyuki matsuki
インターフェイスデザイン・システム:Semitransparent Design
技術協力:MATHRAX
special thanks : Apple Computer, Inc. / akihiro utada

made on mac @ アップルストア銀座で行ったコミュニケーションシステムのデモ。

「as we may think」というヴァネヴァー・ブッシュの論文のタイトルをきっかけに評論家歌田明弘氏、ロボット・人口知能研究者松木宏之氏と僕の3人でトークセッションを行いました。3人のトークは音声認識を通してリアルタイムでディスプレイに表示されるのですが、音声認識がまだまだ不完全なために半分以上が話したこととは全く違う単語の羅列が映し出されるのです。

耳で聞くテキストと同時に目で追うテキストのずれーこれが話していてもとても面白いのです。話がリニアでなくあちこちに予測不能に跳ぶ感じ。そもそも「脳の働きってリニアではないじゃん」というところから発想して音声認識の(現段階での)不完全さを利用してトークセッション自体を予測不能でノンリニアな行為にしようと考えました。

もう一つの試みとしては観者は携帯を使って突っ込みを入れることができるようにしました。これもディスプレイにリアルタイムに映し出されます。通常トークイベントでは最後に質問コーナーがありますが、質問したい時って今のその発言にしたい!という即応性が重要であったりしますし、聞きたいけれど手を挙げて大勢の前で喋れないという人も多いですし。なかなか楽しい体験でした。

僕たちはこのようなコミュニケーションシステムも建築やインテリアと同じく空間デザインとして創造しています。