最近読んだ本 読書memo 006
新潮社
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「核」論―鉄腕アトムと原発事故のあいだ(武田徹/中公文庫)
「核」つながりで。こちらは(できる限り)一つのポジションに身を置く事なく多視点を描く事で「核」の社会化にフォーカスしていく。高木仁三郎のナイーブさについての言及等も僕自身は持っていなかった視点でした。東海村臨界事故についても一章割いています。
インテリジェンス 武器なき戦争(手嶋 龍一、佐藤 優/幻冬舎新書)
読み始めた時にも一度触れましたが、やっぱり面白かった。言い切れない部分を含ませつつの話し(もちろん核心は滲ますことさえできないのでしょうが)の展開がより想像をかき立てる。お互い認め合いながらも見解の相違はそれぞれプロとして明確に対峙する部分もスリリング。内閣官房副長官補の谷内正太郎にも興味がわきました。
インフォーマル(セシル・バルモンド/TOTO出版)
建築界隈で構造家セシル・バルモンドが異常に持ち上げられている状況に違和感を持っていたところでこれを読んでみましたが、その違和感は取り除かれることはありませんでした。彼が優れた構造エンジニアであることに疑いはありませんが、あくまでも建築=造形創作のフレームの中での新しい手法としか感じられません。
前田建設ファンタジー営業部(前田建設工業/幻冬舎)
子供の頃マジンガーZにしてもウルトラマンにしてもガッチャマンにしても基地が大好きでした。ゼネコンがマジンガーZ地下格納庫を実際に作るーという企画が本になったものですが、この本の意義は実際に見積りと工期まで出されているということです。せっかく面白いことを始めた前田建設でしたがこの後談合事件への関与が明るみに出てしまいましたとさ。
エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門(永山薫/イーストプレス)
エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあることに続くカバーがないと読みにくい本シリーズ。正にそれに現れているような「エロの壁」がエロマンガの特性の一部を形成しているという指摘は鋭い。マンガの歴史には現れないエロマンガの歴史は深く広く面白い。
20世紀少年 22―本格科学冒険漫画 (22)(浦沢直樹/小学館コミック)
大好きなマンガなんですよ。全巻揃えています。しかし、ここ数巻は拡散と収束のバランスがどうも気持ち悪いです。安定した結末なんて求めていませんが拡散と収束が引き起こすダイナミックさを期待します。
小学館
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