グレッグ イーガン Greg Egan 山岸 真
早川書房
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グレッグ・イーガンの日本での3冊目の短編集。
祈りの海や
しあわせの理由に比べるとバリエーションは少し絞られてまとまった感があります。アイデンティティへの探究はより徹底的に、そして自由意志論にも迫る。僕のベストは「ルミナス」か「ひとりっ子」。「ルミナス」は再読で、初読時に本気で数学基礎論を勉強しようと思ったのですが、今回も再び同じ決意をしたのでした...。イーガンはゲーデルのように神の存在証明に向かうのでしょうか。
超人類へ!バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会(ラメズ・ナム/インターシフト)
先日の荒川修作さんの「人間は昔から人工物なんだ!」という言葉を思い出しました。その通りだと思います。僕は素直に攻殻機動隊やイーガンのSFの世界を自身の身体で体験してみたいと思う。そしてそれらが進化論とどうぶつかっていくのかに興味があります。
ドーキンス VS グールド(キム・ステルレルニー/ちくま学芸文庫)
進化論と言えばこの二人。この簡潔な本で真っ向から対立しているわけではないことがよく分かりました。これ読んでそれぞれの著作を読むと分かりやすいでしょう。グールドはワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語しか読んだことがなかったのでこれから読んでみます。
はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語(吉田武/幻冬舎新書)
小川一水のSFにも負けない、いやそれ以上。泣きそうになりました。オイラーの贈物の吉田武さん、こんな本も書くのですね。すごいな。
偽満州国論(武田徹/中公文庫)
満州国に限らず、現代の都市デザインもほとんどその駆動部は変わっていませんね。国家という幻想と都市のリアリティは補完関係ではなく共犯関係だと思う。
BIOMEGA 1 (1)
BIOMEGA 2 (2)(弐瓶勉/集英社コミック)
待望の再開です。現在最強の漫画でしょう。素晴らしい。
さくらの唄 (上)
さくらの唄 (下)(安達哲/講談社文庫)
古谷実ワールドはすぐ近くにあっても不可視な世界ですが、この時代のダークワールドは可視の世界でした。でもこのぶっ飛び方はなかなか凄まじいです。
11人いる!(萩尾望都/小学館文庫)
バルバラ異界を読んだ後ではやはり物足りないと感じてしまいました。それでも設定は独創的ですし、何よりもキャラが魅力的で面白かった。タイトルも秀逸です。
「現代思想」は臨時増刊等で時々優れたデザインの表紙を作りますが、今回もはっとするほど美しい表紙。色、レイアウト等がゲーデルにぴったり。中身は実はまだ一部(討議)しか読んでいませんがあまりにも素晴らしいカバーデザインだったのでフライングでアップします。