メタボリズム
都知事選が面白いですね。もはや常連の発明家ドクター中松から、政見放送後にYouTubeでも話題沸騰になっていた路上演奏家外山恒一、風水研究家(兼運勢デザイナー!?)内川久美子等、「一体何のコンテストなの?」と思ってしまう程多士済々な顔ぶれが揃いました。そんな中でやはり一番の注目は建築家黒川紀章です。
「メタボリズム」とは、来るべき社会の姿を、具体的に提案するグループの名称である。 われわれは、人間社会を、原子から大星雲にいたる宇宙の生成発展する一過程と考えているが、とくにメタボリズム(新陳代謝)という生物学上の用語を用いるのは、デザインや技術を、人間の生命力の外延と考えるからに他ならない。したがってわれわれは、歴史の新陳代謝を自然的に受け入れるのではなく、積極的に促進させようとするものである。
(メタボリズム・グループ 宣言書巻頭文より)
のメタボリズム創設メンバーの黒川紀章です。僕の大好きな本『アメリカ大都市の死と生』の翻訳者の黒川紀章です。そして、最近では国立新美術館の設計者の黒川紀章です。その黒川紀章が紋付袴に日本刀を持つに至る経緯については非常に興味深いところではありますが、それはまあ置いておきましょう。
共生新党を設立してメタボリズム以前から掲げていたという「共生の思想」を前面に押し出していますが、それよりもメタボリズムの4つのモメントの一つである「破壊」についてのプログラムが黒川氏の最も面白いところだと思います。都政に「破壊」についてのプログラムが組み込まれたらーというのは見てみたい気がする。じゃあ黒川氏でーというわけではありませんが、とりあえず有力だと見られている石原慎太郎の三選を阻止する可能性をあれこれ探ってしまいます。
次の日曜日はいよいよ投票日です。僕には選挙権がありませんが、持っている方は楽しんで有効に使いましょう。