絶望的な
d-laboで北山創造研究所が主催するEnergy Link &が開かれました。d-laboのオープン記念として特別出張版でゲストは安藤忠雄氏。
ご周知の通り安藤さんは石原慎太郎のブレーンでもあるのですが、東京オリンピックの話は自身が聞く前に石原慎太郎が発表してしまったのだそうです。それから黒川さんのプランは「絶望的なプラン」と評していました。黒川さんは「ボクが知事になったら彼(安藤氏)を使うよ」と言ってるのですが。そんな話の流れで東京オリンピックの構想からいくつかのプロジェクトについて話して最後は建築・都市プロジェクトとは別の話として環境のことに触れておしまい。えーと、これはいいの?何か今日のトークはコミュニケーションを生み出したの?様々な困難と闘って実践してきている安藤さんってもっとハードコアな話があるんじゃないの?一体これは誰に向けての話なのだろうか?....いろんな?が浮かんでいたのですが、会は滞りなく終わりました。
安藤さんは表参道ヒルズ等の大型開発に携わる一方で「ひょうごグリーンネットワーク」や「瀬戸内オリーブ基金」等の実践もされています。僕は環境(いわゆるエコではなく生態)というものも広義のアーキテクチャーの一部であって建築や都市開発において決して分けては考えられないと思います。しかし、実際の建築や都市開発においては環境問題はいわゆるエコ=「うちはこんなに自然にいいこと考えてますよ」というような単なるPRやコピー的視点の延長でしか捉えられていません。安藤さんのような実践者であるならばそこに激しい葛藤があると思うのですが、安藤さんでさえも突破できない何かとは何だろうなどと期待していたのですがそういう深度の話には全くならず。安易な結論や予定調和的な収束は不要ですが、実践者として創作者としての生々しい葛藤を感じたかったです。
終了後、松岡さんにソニーの戸塚氏と細田氏を紹介される。細田氏はソニーコンセプトデザインスタジオの新しい責任者なのですが、ソニーコンセプトデザインスタジオは実はc-laboと呼ばれているそうで、「c-labo & d-laboで兄弟じゃないですか。じゃあ兄弟で一緒に面白いことやりましょう。」という話で盛り上がる。楽しい企てはどんどん仕掛けましょう。
abc六本木店によって水声通信no.16(2007年3月号)と10+1No.46を買って帰る。水声通信はジョン・ケージ特集。渋谷くんと池上さんの対談が掲載されていてそれから読み始める。