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『ゲドを読む。』を読む

『ゲドを読む。』を読みました。中目黒ブックセンターで見つけました。全5色あるらしいのですがNBCにあったのは黄色。ブックデザインは佐藤可士和氏。ふうーん。

DVDの広告になる「フリーペーパー」らしいのですが、これ読んだ人は圧倒的にDVDよりもル=グウィンのゲド戦記を読みたくなるのでは。僕もその1人です。ル=グウィンは闇の左手等のハイニッシュ・ユニバースものは読んでいますが『ゲド』はまだ読んでいません。

翻訳者の清水真砂子氏の『ゲド』と『モモ』の比較は鋭い。ル=グウィンはポートランドに住んでいるそうです。Powell's Booksのある街ポートランドだ...。

ライフライフ

d-labo@second lifeの打合せでメルティングドッツ浅枝大志氏らと打合せ。浅枝さんと会うのは4月初以来で、その間浅枝さん自身がウェブ仮想社会「セカンドライフ」 ネットビジネスの新大陸を出したり、メルティングドッツとして日本人専用入会登録ページ&チュートリアル島MNPを立ち上げたりして、日本でのセカンドライフを取り巻く環境は大きく動いています。メルティングドッツの貢献はかなり大きいですね。僕自身はセカンドライフに対するモチベーションはまだ低くアバターを作るには至っていませんが、これをきっかけにまずはいじってみようかな。

観察

午前中は横浜反町へDIVA+の打合せ。発注に向けての金額の最終調整。今までも幾多の厳しい条件をデザインでくぐり抜けて来たのですが、今回は特に極限といえる条件でした。それでもDIVA+という空間を動かしていくためにギリギリまでつめる。このプロセスは特にクライアントとの共創になります。

終了後、横浜伊勢佐木町へ。今日こそは発見するために現場及び周辺のリサーチ。お昼過ぎからしばらく観察しましたが糸口は見えず。環境を観察すればする程プロジェクトから離れていってしまい途方にくれかけていましたが、今日は夕方までしばらく観察していたらいくつかの界面を見つけることができました。プロジェクトとしてはかなり厳しい環境ですが、この街の人々のユニークさ、流れのダイナミックさは非常に興味深い。もっと長いスパンで観察したらもっとおもしろいことが見えてきそうです。

夜はd-laboへ。d-log.002が開催されました。「Opportunity×Risk-経営学の第一人者による成功のための社会インフラ論-」というテーマで野田一夫氏(+特別ゲスト南部靖之氏)によるレクチャーが行われました。d-laboのために正直に書きますが、面白くなかった。ここで内容についてあれこれは書きませんが、野田氏個人の問題ではなくあのような現象を受け入れる社会的環境の問題が大きいと思います。d-laboでは何とかそこを乗り越えていきたい。

求められるアート

六本木のポアントへ打合せ。何だか頭がまわらなかったのでらくがき描いてのコミュニケーション。もっと環境リサーチが必要だ。

お昼はまた某店でハンバーガーを食べ、その後渋谷の東急電鉄でトランジット木村さんと中村さんらと共に打ち合わせ。長い設計説明会の後場所を変えて別プロジェクトの打合せ。意外だと思われたようですが、mattは「オーセンティック」なものも創れるのです。まあ、「オーセンティック」な中にもスマイルは潜ませてね。

mattへ一度戻った後、東大駒場の池上高志さんの研究室へ。今年の夏(?)刊行される予定の池上さんの本の話し等。「単に装丁の素材・ヴィジュアルやページ構成ということだけではなく、本のデザインは書くー読む行為の流れ全体の中にあります」というような話しをしたら、池上さんは「求められるアート」と言った。とても興味深い話しだった。まだ書かれていない第二作のことまで話す。池上さんはテキストの締め切りを気にしていたけれど、池上さん自身が納得いくように書いてもらいたいです。

大竹伸朗「全景」展図録なんて先日また刊行延期のお知らせが封書で来ていましたが、キャンセルなんて全く考えないよ。むしろこの過程も楽しんでいます。

プロポーズ大作戦

d-laboクリエイティブチーム(=ライゾマ+DGN+matt)揃っての打合せで久しぶりにみんなに会う。齋藤くん&石橋くんはsonarに行ってきたそうで、齋藤くんなんて脚の皮むけていたよ。一番盛り上がったのはBeastie Boysだったそうです。一方の藤元くんはla Biennale di Veneziaやらベルリンやらあちこち廻ったらしい。僕はいつ頃遠出できるのだろう。

ところでd-laboはデートスポットとして注目されているそうです。デートスポット今月のクチコミランキングで1位だって!そのうちatlasやgalleryを使ったプロポーズとか生まれそうですね。もしそういう方(♂♀どちらでも)がいらっしゃったら全面的にサポートしますよ。

秒速5センチメートル

RISE Xで新海誠監督の秒速5センチメートルを観る。前二作とは違いSF要素はなし。で、一番泣いた。美しかったんです、画像も新海監督がすくい取った「今この現実」も。こんなこと恥ずかし気もなく書いていいのかという気もしますが...。間もなく発売されるDVDももちろん購入して繰り返し観たいと思います。

秒速5センチメートル 特別限定生産版 DVD-BOX
コミックス・ウェーブ・フィルム (2007/07/19)
売り上げランキング: 16

ちなみに、秒速5センチメートルとは桜の花びらが散っていく速度だそうです。

見るのだ

わけあって最近ハンバーガーを頻繁に食べています。何だか時代に逆行しているいようですが、改めて食べるとこれはこれで美味しいと素直に思います。もちろんその美味しさは高級フレンチや新鮮なネタのお寿司等の美味しさとは別のものであって、どちらが正しいとか上とかの話しではない。基本的に「健康のための食生活」とかいうものには興味がないので、その都度食べれるものの中でで食べたいものを食べています。特にスイーツは自分でも食べ過ぎだと思いますが、今のところ健康状態はすこぶる良好です。

今月末から来月にかけてはサッカーの国際大会が目白押し。
http://www.jfa.or.jp/daihyo/
アジアカップ2007も当然気になりますが、あまり注目されていないように感じるU-20ワールドカップカナダ2007もすごく楽しみ。いずれも抜群のスピードを持つ梅崎司(大分)、内田篤人(鹿島)がそれぞれ左から右からと切り裂いていくのが見える!ちょうどこの時期は仕事も一杯ですし困ったな。と言いながらサッカーだけは寝る時間を割いてでも絶対に見るのだ。

コスモロジーへの道

前例がないことを理由にやらないということがいまだにあることをとても残念に思う。

notosでさやかさん、KEELの櫻井さんと「not' mansion(仮題)」の打合せ。こちらは絶好調。櫻井さんの秘密兵器のデモを見せてもらいながら話し合う。前向きかつ実践的な話しは楽しー。これを実装していけばいろんなプロジェクトを創ることができる。

お寿司屋さんへの誘いを断腸の思いでお断りして、mattに戻ってあるプロジェクトのプラン×2を必死に考える。途中ホワイトヘッドの哲学を読みながら(プロジェクトとは全く関係ありません)。

そういえばみすず書房の

過程と実在〈1〉コスモロジーへの試論
アルフレッド・ノース ホワイトヘッド Alfred North Whitehead 平林 康之
みすず書房 (1981/08)
売り上げランキング: 69299

が復刊していますね。まだまだコスモロジーへの道は遠いですが。

un-volumetric architecture

あーあ、un-volumetric architecture創りたかったのになー。そりゃ分けちゃいけないよ。

パタゴニアの本気度

あるプロジェクトのリサーチのために朝から鎌倉へ。鎌倉は久しぶり。鎌倉駅から若宮大路に出て海側に行くと農協市場やパタゴニアの日本支社&ショップがあったりして少し地元色が強くなる。そんなあたりをじっくり観察。お昼はcafe vivement dimancheへ。他の新しいお店も色々できているようなので探して行ってみたかったのですが、今日は時間がなくとりあえず分かるところへ。これだけ何も変わらずにお客さんが来続けるというのは立派だと思う。オムライスもコーヒーも店構えも空気も何も変わらない、と感じさせる。チャッピーが少し年齢とっていたくらい(気のせい?)。

パタゴニアの本気度はすごい。
パタゴニア:環境への取り組み
「企業は、その根本である地球環境に対して責任を持つべきなのです」by Yvon Chouinard

甘味処とか行きたかったのですがぐっとこらえて横浜に移動。別のプロジェクトのリサーチ。内容は書けませんが、驚くほど窮屈な体験。まるで拘束装置空間。ー意味不明ですね。

一度mattに戻ってから夜はトランジットの木村さん、中村さんと打合せ。時間がとても厳しいからこそコミュニケーションは繊細に。終了後さらにリサーチのために渋谷へ。最後は完全にスイーツ欠だった...。

しかるべき本とのしかるべき出会い

LOHASという言葉には気をつけた方がいい。というよりLOHASという言葉を躊躇いなく使う人々と言った方がいいのかな。元々がマーケティングから生まれた言葉であるということを再認識した方がいい。何度も言うけどマーケティング的思考からはできるだけ離れた方がいい。

vaganceの「本のある生活」が久々に更新しています。
しかるべき本とのしかるべき出会い vol.1
今回はBACHの幅さんとの対談でした。(といっても随分前でダウン着てます)実はほとんどマンガの話しばかりしていたのですがその部分は思いっきりカットされていますね。続きは6/26にupされます。

nordic "maid" cafe

ちょっと調べたいことがあり神保町から秋葉原あたりを歩く。炎天下を歩き回って熱射病になりそうだった。秋葉原を歩いていてこんなのを発見。面白い。昼食を食べた直後だったので今回は見るだけでしたが、次回はせひイートインで。

夜はkennethやjakob主催のパーティへ。以前jakobに

をプレゼントしたのですが(これ前にも書きましたね)、それ以来彼はおたくや秋葉原に興味を持ち今ではメイドカフェについても語れるくらいになっています。今日も「ボクさー中目黒のメイドカフェにも行ったんだよ!」と自慢していた(『なかめのメイド屋さん』は確かに知る人ぞ知るだw)。いっそnordic "maid" cafe作るとか...。

パーティの後、中目黒に最近オープンしたFive Star Cafe・五星鶏飯でご飯を食べる。シンガポール料理のお店ですが、チキンライスを始めいずれも美味しかった。小さいけど場所も含めていい感じのお店です。そのうち混んで入れなくなるんだろうな。

白夜は続くよ

DNMのjakobが来日していて、kennethやトランジットの木村さんと共に「白夜プロジェクト(仮)」の打合せ。コンセプト、デザイン、コンテンツと一貫したビジネススキームの組み立てについて。白夜はなかなか明けません。今がベストシーズンのスウェーデンから来たばかりのjakobはこの湿気に参っていた。jakobは14(木)と15(金)の夜cafe246でdjやるそうです。もう15(今晩)しかありませんが、お時間ある方はぜひ。

夜はミッドタウンのSILIN火龍園という中華料理のお店で北山創造研究所の松岡さん主催のお食事会。とてもユニークな面々が集まってすごく面白かったですし、料理も大変美味しかった。ありがとうございました>松岡さん。

帰りにABC六本木店に立ち寄り、ホワイトヘッドの哲学を購入。


robot + doll

6月2日のエントリーでも紹介したCB2はこれと共同で開発すれば面白いと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=bcL0fM-hfDc
詳細はこちらで。
http://www.rubberskin.jp/jtop/index.html

すごい技術だと思うのですが。

クレーコートの王者

今日はDIVA+の図面説明会を各社順番に行いました。先日の現場説明会と合わせてこれで各社に見積りを出してもらいます。

その後notosにてrEALL&moreの打合せ。赤の話から赤土、クレーコートの王者=ナダル物語になり、それから赤から変わって黄色のマイヨ・ジョーヌ=ランス・アームストロング物語に。語り部はもちろん廣澤アニキ。そしてなぜか最後はクリエイティブ経済学のレクチャーになりました。僕の苦手な部分なので真剣に拝聴させていただきました。

久しぶりにテニスやりたくなりました(体育会ガンガン系で)。僕もラケットだけはナダルと同じbabolatなのですが...あんなふうにはいかないよね。

哲学と自然の鏡

リチャード・ローティ死去。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0611/TKY200706110222.html

哲学と自然の鏡はしばらく前から家のテーブルの正面に置いてあり少しずつ読み進めています。これからもゆっくり少しずつ読み進めたいと思います。ーご冥福をお祈りします。

最近読んだ本 読書memo 009

ミュンヘン・オリンピックのヴィジュアルデザインで知られるオトル・アイヒャーの特集。その中で『デザインとしての世界』の部分訳が掲載されています。 「デザインは人を自律的にし、デザインする人々は危険な存在となる。支配を行使する権威にとって、かれらは危険なのだ。」「デザインは心の活動の生み出すもっとも複雑な構造物である。一個のデザインは分析的であると同時に総合的であり、特殊的でありかつ一般的であり、また具象物でありながら原理的対象なのである。」「デザインが生まれるのは、理論と実践が衝突する地点である。」 勇気づけられます。これはぜひ全訳が読みたい。デザインは原著のままで。(独語版の方がベター) もう一つの特集「海外雑誌カルチャー」も合わせて久々に秀逸。

生物と無生物のあいだ(福岡伸一/講談社現代新書)
最近読んだ生物学本ではベスト級。シュレーディンガーの生命とは何かからシェーンハイマーの実験と考察を経て示される「生命とは動的平衡にある流れである」という生命の再定義は現時点で最も納得できる。「生命とは何か」の分かりやすい解説にもなっていて嬉しい。著者の研究のプロセスとしてまた次もぜひ読みたいです。

遺伝子・脳・言語(堀田凱樹、酒井邦嘉/中公新書)
サイエンス・カフェというフォーマットが生かされた本。「手話の脳科学」は特に興味深かった。

メディアは透明になるべきか(J・D・ボルター+D・グロマラ/NTT出版)
ライティング スペースが面白かったので読んだのですが、これはSIGGRAPHのちょっと過去形ーそのままーであまり楽しめず。

「情報」を学び直す(石井健一郎/NTT出版)
「情報」論から「コミュニケーション」論へ。まだまだ「コミュニケーション」論は遠い気がします。

抵抗の場へ―あらゆる境界を越えるために(マサオ・ミヨシ、吉本光宏/洛北出版)
これはインタビューというフォーマットから生まれた強度。「我々」ってつい自分も使いがちですが、怖い言葉です。境界を越えられなくても境界に触れていればいいのだと思う。

大久保町の決闘(田中哲弥/早川文庫JA)
ついに復刊しました。長編デビュー作だけあってバカ度は最上級。でも、Self-Reference ENGINEを先に読んでしまったので刺激が少し足りなかった...。

蹴る群れ(木村元彦/講談社)
木村元彦の本を読むと、ピクシーのようなスターも戦時下のイラク代表チームもアルバニア出身の元「横浜FC」の助っ人も、皆愛しく感じます。そしてサッカーがもっともっと愛しくなる。カフカもアインシュタインも「DFCプラハ」というクラブのサポーターだったそうです。知らなかった!

別冊「本」RATIO 03
別冊「本」RATIO 03
posted with amazlet on 07.06.12
池内 恵 他 選書出版部
講談社 (2007/05/11)
売り上げランキング: 110223
ボリューム満点の第3号。池内恵の「ジハードの思想史」と連載の「実在論論争ー科学に何ができるのか」(伊勢田哲治vs.戸田山和久の往復メール)が面白い。後者の絡みは容赦なく進みそうでますます期待大です。

今日はデモ@Sony CSL Open House 2007

先日のシンポジウムに続いて今日はSony CSL Open House 2007のデモンストレーションに行ってきました。

シンポでも感じたのと同様やはり更新性があまり感じられませんでした。基礎研究は長いタームで考えなければならないのは分かりますが、新しい試みや想像を超えるアプローチを見たいですね。茂木健一郎さんに率直な疑問として「脳の問題として偶有性の重要性を考えるのにこのような実験だけでは云々.....」という話をしましたがあの場でする話しではなかったかもしれません。茂木さん二日間の立ちっ放し、喋りっ放しで相当まいっているようでしたし。

Interaction Laboratoryの方はやはり動かせるモノがあるせいか大盛況。CSLのイワンを始めちょっとご無沙汰していたみなさんにたくさん出会う。ロボックマくんにも久しぶりに会いましたよ。

CSLとは関係ないけれど、偶然お会いしたヒマナイヌの猪蔵さんに紹介されたヒマナイヌ代表の川井拓也さんが名刺を手渡す時に「1st contact...」という欄に年月日をスタンプしていて、これはいいなーと感心。猪蔵さんに先日のd-log. 001が「本当に面白かったよ!」と言われて嬉しかったです。クマとかイヌとか色んなお友達に会った1日でした。

自転車で走る

午前中、某プロジェクトの急ぎのプランをまとめてから、DIVA+の打合せで反町の現場へ。今日は施工会社の方にも来ていただき構造や設備の確認。懸念していたRCの壁は壊すことができそうでよかった。

その後六本木の廣澤さんのオフィス(ポアント)で伊勢佐木町プロジェクトの打合せ。オフィスといっても1Fは洋服屋さんで吹き抜けから見える2Fには自転車屋さんと思うくらい自転車が並んでいるし、異常に踏み面の小さい階段から降りる地下はアジトのようで奥には本格的な改造可能(人間ではなく自転車ね)なガレージもあるし、何だか楽しい廣澤さんの秘密基地みたい。楽しい場所で話す方が絶対にいいアイデアも出る気がする。そんなわけで今日の打合せもすこぶる快調で楽しげな話しが一杯でました。

僕はあいかわらず自転車で走り続けていますが、何だか最近は調子いいぞ、うん。小さいけれど今ならどこまでも走れそうだ。

not' mansion(仮題)

not'の打合せで三番町のKEELへ。COOの櫻井智明氏とnot'チーム梅澤&僕の三人で「not' mansion(仮題)」の可能性について。櫻井氏についてはこちらを。

「俺がネットの可能性を証明してやる!」

梅澤さんや他方面からも聞いてはいましたが、技術力と柔軟性と行動力を併せ持った面白い方でした。入口は違っても近しいことを考えたり創ろうとしたりしていたので初対面なのにいきなり本質の話しができて速かった。面白いことを考えて創るだけでなく、あらゆるところに不可視状態ではり巡らされたマーケティング的環境とは違う(not)環境を編み上げて(knot)いくこともnot'がやっていこうと考えているところです。

櫻井さんは僕の別のクライアントとも随分前から水面下で企てを進めていたりしていますし、他にもいくつか接点がありました。It's a small worldー。KEELの入っているビルにはco-labが入っていたので、打合せ後にのぞいてみる。田中陽明くんはいませんでしたが、長岡勉くんがいたので久しぶりに少し話す。このビルを含めて辺りは早川書房の土地らしく2年後には取り壊されるらしい。早川さんが普通のインテリジェントビル造ったらがっかりだなー。

Sony CSL Open House 2007 Symposium

Sony CSLシンポジウムに行ってきました。

品川の新本社は初めて。見た目はノーマルなインテリジェントビル、に見える。エントランスと大会議室だけでは残念ながら様子が伺えず。

CSL(Computer Science Laboratories)のオープンハウスは2年に一度開かれる成果発表会のようなもの(?)なのですが、来場者の6〜7割はソニー関係者だそうです。企業の研究所でありながら自由度の高い研究環境としてユニークな存在であり続けてきたのですが、今回のシンポジウムは本体の影がかなりちらついているように感じた。企業のCSRみたいに「まずはサステナビリティを」とか言い出して、最後のパネルディスカッションとか何だかみなさん話しにくそうに見えました。そのような微妙な体制状況や、オープンハウスで研究の最新報告を出すわけにもいかないーということもあってなのか更新性があまり感じられなかった。やむを得ないのでしょうが。

そんな中でIL(Interaction Laboratory)の暦本純一さんはギークらしく地道に色々面白いものや変なものを創って動かし続けていますね。僕は2003年のオープンハウスでILのイワンやカーステンらと共に『c-cube』(残念ながら公開不可です)というものを創ったのですが、その時は諸条件が重なり不充分なプロジェクトに終わりました。今なら、もっと断然面白いことできそうな気がします。創ってそれをマーケティング的環境に絡めとられることなくいかに流通に繋げるかという部分までを。最近DJ活動に勤しんでいるDr.イワンと久しぶりに話してみよう。

北野宏明さんが冗談で「われわれCSLのサステナビリティの方がw」と言っていましたが、ちょっと笑えなかった。Sonyとか関係なくこのような研究所にはまだまだ頑張ってもらいたいです。

東京スキャニング

InterCommunication(インコミ)判型が変わりましたね。

巻頭が東浩紀さんと五十嵐太郎さんの対談でしたが、この特集に通底しているインコミの視座そのものが東さんのいらだちの対象だと思う。話しを聞いていたから余計にそう思ってしまうのかもしれませんが。

それにしてもインコミの「東京」特集は外しますねー。No.39の『東京ポスト・デジタル』はもっと酷かったけど。NTT出版のバックナンバーでもなかったことになっている。

きまぐれロボット

あるプロジェクトの打合せとリサーチのために伊勢佐木町へ。みなとみらい線の馬車道駅から歩いたのですが、馬車道から首都高下の橋を渡ってイセザキモールに入るとがらっと雰囲気が変わる。久しぶりに行ったら横濱カレーミュージアムが閉店していました。タイノスの廣澤さん、伊藤さんと打合せをしてある現場を観察。二人と分かれてから周囲をしばらく観察。面白いエリアではありますがプロジェクトにはなかなか難しい場所だなー。

帰りに、芸大馬車道校舎至近のビルの2階に見つけた誠文堂書店という古本屋に立ち寄る。ガラス越しに見えるRの書棚が何だか魅力的だったので。外からもよく見えるくらいなので外光一杯で明るい古本屋。Rの書棚は空間内部でも効いていました。メインはキリスト教、神学関係でしたが、他には思想、歴史等が充実していました。一六世紀文化革命1&2揃いを見つけて購入。ラッキー。前の磁力と重力の発見もすごく時間はかかったけど面白かったのでこれも楽しみ。

ロボット関連のニュース二つ。
これは先日渋谷くんが言っていた池上さんとZMPとのコラボレーションによる「miuro(ミューロ)」。渋谷くんも参加している。
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/06/01/500.html

もう一つは浅田稔さんらの子供型ロボット「CB2」。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070601i415.htm

いつもロボットに関するニュースを聞いて思うのですが、研究レベルではアプローチも様々で面白いし、それを情報公開するにしてもプロダクト等のパッケージ化するにしても流通への意志(欲望)も健全なものとして理解します。しかしその研究と流通の間を繋ぐ「デザイン」というプロセスがどうして組み込まれないのでしょう?当然ですが「デザイン」というのは単にロボットの意匠とかの話しではありません。未だに「デザイン優先」という言葉が有意味な言葉として使われる環境なのでこのような当たり前の話しも繰り返さなければならない。そして、このような環境故に「デザイン」が欠落するか、もしくは意匠(というより化粧だ)のみでデザインとか言ってしまっている。

ロボットの話しはロボットに限った話しではなく新しいテクノロジーや新しいコミュニケーション全般に言えることです。

人生、宇宙、すべての答え

今日も打合せでd-laboへ。ほぼ日でd-labo。今日はweb&オンサイトコンテンツの検収。動き続けるプロジェクトにおけるクオリティの判断は難しいです。

終了後、横浜反町へDIVA+の打合せ。反町に行くと必ず雨。しかも今日は寒かった。岩崎さんとずっと話しながらゆらぎと安定性のあわいをすくいとる。

期待以上でした、これ。

Self-Reference ENGINE
Self-Reference ENGINE
posted with amazlet on 07.06.01
円城 塔
早川書房 (2007/05)
売り上げランキング: 1965


こんなに興奮して小説を読んだのは久しぶり。やっぱり「ハード」だけではダメで「バカ」っぷりは重要。抜けきったような「バカ」さ加減に電車で読みながら笑ってしまいました。「オブ・ザ・ベースボール」は今一つでしたがこれは堪能しました。

この本にも数字が出てきますが、みなさんは「人生、宇宙、すべての答え」を知っていますか?グーグルの電卓機能で「人生、宇宙、すべての答え」と入力するとある二桁の数字が回答されます。ダグラス・アダムズの銀河ヒッチハイク・ガイドの中で、スーパーコンピュータディープ・ソートが750万年かかった計算が今ではグーグル電卓一発で答えがでます。SF好きにはよく知られたお話です。