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本格科学冒険漫画

トランジット中村(貞裕)くんと打合せ。久々だったのですが彼と話すと不思議とほっとするんですよね。希有なキャラクターだ。

その後DGN石橋くんと二つの開発事項についての打合せ。プロジェクトとは関係ありませんがひずみセンサーは使ってみたい。

20世紀少年―本格科学冒険漫画から続いた長編ついに完。

21世紀少年 下(ビッグコミックス)
浦沢 直樹
小学館 (2007/09/28)

21世紀少年になってからはサブタイトルの「本格科学冒険漫画」が外れていましたが、最後まで科学については描かれず。「本格科学冒険漫画」というのは時代を現すコピーだったようです。作者としてはそれも含めて引き受けたということなのでしょうが、マンガの終わらせ方って本当に難しいですねー。閉じ方というのか。映画化は監督があれでは望みなし。


創ることの本

環境における気づきを考える時に「かまえ(という表現が適切かどうか分かりませんが。能動と受動の差とは違う)」の問題は絶対に無視できないことだと思います。アフォーダンスにしても神経科学にしてもなぜかそれを無視している、もしくは避けているように見えます。かまえは意識が立ち上がる前と後があります。池上さんの動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチを読んで改めてそのことを考える。

それにしてもこの本はまさに創ることの本だ。やりたいことが色々と動きだしてきた。おまけとしてライフゲームをまたダウンロードしてついついはまってやめられなくなっています。

里山おこし

ちょっと山の方に行きたいと思い山の温泉に行ってきました。群馬県の四万温泉。予約したのが直前だったので希望の宿は取れず。泊まったところは料理も客室もサービスもB級でしたが、風呂だけはA級でした。四万川に面した露天風呂は素晴らしく気持ちよかった。激流の渦や衝突の音ー聴こえるのはそれのみというのが心地いい。

翌日はあいにくの雨のため山の散策はあきらめて温泉街を散歩する。足湯茶屋で足湯につかりながらあげまんじゅうを食したのですが、これは至福でした。都心にも足湯カフェとかあったあらいいのに。「足湯」signとかw

中之条ビエンナーレ(第一回)というアート祭をやっていましたが、「アートで里山おこし」ということでは越後妻有アートトリエンナーレが先行事例として参照されているんでしょうね。その越後妻有は2009年第四回も開催するようです。北川フラムさん頑張るなー。

生キャラメル

d-labo web10月更新に向けてライゾマティクスと細部のやり取りをしつつ短い原稿を二本仕上げる。

夕方のrEALLの打合せで話題に上がったのですが、北海道の生キャラメルがめちゃくちゃおいしいです。僕が少し前におみやげにもらって食べたのはこれ。
http://northplainfarm.co.jp/

他からもいくつか出ているようですが、地元の人曰くここが一番だそうです。「9月20日〜10月2日まで、東武百貨店池袋店『秋の大北海道展』に出品いたします」とのことなので東京近辺の方はこの機会にぜひ。激推薦!

夜はd-log.005へ。今日のゲストはKIDS EARTH FUNDの鳥居晴美さん。世界中の貧困地帯やチェルノブイリ等での活動をこともなさそうに話される。その軽さに好感を持ちました。外の人々が知る機会=コミュニケーションの部分にデザイン思考を入れるといいと思います。

コンテンツの未来

午前は昨夜に続いてcafegrooveへ。今日はDGN石橋くんとともにコンテンツの開発について具体的な打合せ。ハイパーライブラリーに始まる検索→見るという行為を無意識に行なえるようなインターフェイスの展開。石橋くんとは別件のコミュニケーション空間の開発等いくつか一緒に開発することになりそうです。

帰る途中これを購入。

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
小寺 信良 津田 大介
翔泳社 (2007/08/02)
売り上げランキング: 705

書籍をクリエイティブ・コモンズライセンスを付けて出すという興味深い試み。
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0709/18/news008.html

夜はd-labo研究会。第二回目のゲストは毛利嘉孝さん。本来は文化と社会の実践における関わりの部分を深くお伺いしたかったのですが、d-laboのみなさんの興味は毛利さんがディレクターを務められている北九州国際ビエンナーレ'07の具体的なオーガナイズドの部分に集中してしまいました。即応的な話しも意味がないとはいいませんが、せっかく研究会と銘打ってゲストの方にも来てもらっているので、もっともっと彼らの研究&実践していることのコアについて深くしつこく食いついて考えないと。毛利さんにはいずれd-log.でオープンレクチャーもやっていただく予定です。

はめられている

cafegrooveで開催されたCCC&クリエイティブエージェンシーミーティングに出席しました。行く途中でtakramの田川くんと出会い同行。今日のメインは博報堂の南勲氏によるCannes Lions 2007のレポート。質疑等も挟んで後は個別に色々話すといった感じ。規模が適正でしたしcafegroove浜田氏のインターフェイスぶりがよかったせいか今日はしっかりコミュニケーションできました。cafegrooveは徐々に場を創りつつありますね。

広告に関して言えば、やはりマーケティングを前提としたコミュニケーション(=Cannesが主対象とする環境)というものはもう成り立ちにくくなっていると思います。電通ーセカンドライフの状況からも分かるように違う環境を単に新しいマーケットとして従来の延長で塗りつぶしていくーというのではもう何も創造を生み出しません。マーケティングという志向は捨て去って、開発やデザインの過程としてのコミュニケーションを開いていくしかないでしょう。

そうそう、前日ですがエヴァンゲリヲン新劇場版:序を見ました。感想は控えますが2008年以降の続きも見ると思います。うん、まんまとはめられている。

LIFE - fluid, invisible, inaudible ...

《LIFE - fluid, invisible, inaudible ...》を観にICCへ。前日にライブもやっていましたが、申込が何だか面倒で行きませんでした。元々YCAMの委嘱作品として制作され今年の春発表されたものですが、残念ながらYCAMへ行くことはできなかったのでICCで観れることになってよかった。

素晴らしいインスタレーションでした。特に高谷史郎さんによる映像は映像体験の多様性を拡張したと思います。人工霧、水、アクリル、床面と鑑賞者の身体。これらのスクリーンの部分と全体の現象と映像のデータベースとランダム性、そしてゆらぎによって生成される映像体験+音響体験はそれが「生命に気配」かどうかは別にして未知の体験でした。

ただ、時間や空間のリニア性が逃れようとしながらも物語への志向は持ち続けるところには僕は違和を感じる。それから一度鑑賞者が9つの水槽の下全てでぎっしり寝転がってしまってなかなか動かないとこのインスタレーションの楽しみは減少してしまう。寝転がったゆっくり観ることもできるし動きまわりながらも観れるという自由度を持つというオペレーションは不可能なのかな。

その後表参道あたりを歩きましたが、MVRDVによる表参道のビルが仮囲いも撤去されその姿を現していました。

前に見たCGと印象が違う感じがしますが、完成が楽しみですな。

夜はBENOITへ。誕生日ということでご馳走になりました。

特にアマダイのロティとデザートのキャラメルのグラスが美味しゅうございました。昔から誕生日というものに全く特別な感情を持っていませんが、こうやってお祝いしてもらえるというのはとても有難いことです。ご馳走さまでした。

青山ブックセンターリオープン3周年記念連続講演会

青山ブックセンターリオープン3周年記念連続講演会に行ってきました。ゲストは東浩紀さん、ナビゲーターは永江朗さんで「「批評」と「メディア」いうテーマを手がかりに「本」や「書店」の現在と未来についてのお話」。先日出た新潮2007年10月号掲載の『キャラクターズ』の話題から入ったのはいいのですが、そこから「「本」や「書店」の現在と未来について」つなげようとする際に、東さんが「価値と事実」と言っていましたが、前提としての事実認識があまりにも乖離していて価値の話にならず。これは先日のブログにも書いたことにも繋がる話。「そういう状況にちょっと切れてみたのが『キャラクターズ』です」と言っている人の目の前でどうして既に起こっている(起こってしまった)事実=変化を認めることさえできないのだろう。文学に限らず、どうしてこう認めない・視ようともしない人々が想像以上に多数存在するのでしょうか。環境?体制?なんだろうな。不感症としかいいようがない。それも個ではなく集団の不感症。

それにしても『キャラクターズ』は面白かった。が、その作品としての価値以前に読まないで固定的印象を持つ人がいるのでしょうね。だとしたらもったいない。それにしても切れる時もキャラクター化ってサービス精神高過ぎ。

parklife

"parklife"という小さなプロジェクトのプレゼン。今回<遊+家具>の開発をメインポイントに提案したのですがそれ自体はあまり施主にひびかなかったようです。プラン全体としては「感動しました」というくらい喜んでもらえたのでよかったのですが、<遊+家具>はあまり必要とされず。ちょっとがっかり。

Parklife
Parklife
posted with amazlet on 07.09.14
Blur
Food (2002/08/19)
売り上げランキング: 72515

このジャケットは今見ても素晴らしい。プロジェクトとは関係ありませんが。

まあっ!!知らなかったわっ!!なんてス・テ・キ

五反田の現場へ現調に。相当古い建物でおそらくどこかにアスベストが使われていると思われます。アスベストの問題が一般的になって以降明らかに現場の人たちのマスクの仕様が格段に変わりました。かつては解体工事時でさえ塗装用レベルのマスクかマスクなんてしない人もたくさんいたのに今はみんなキングジョーの耳みたいなマスクをしています。

現場でこんな人見たことないんですが。中野あたりだといるのかしら。たけくまメモで知りました。

現調終了後一本打合せをすませてから白金のライゾマティクスでd-laboのwebの打合せ。10月後半をメドにwebを更新します。実空間も含めたアーキテクチャにおけるペースの多層化について再度よく考えてみる。ペースの多層化という時間概念を挿入することで環境の見え方は大きく変わります。

フル代表は久しぶりにゲーム性の高い試合で面白かった。U22は相変わらずつまらない試合。いっそU20に総入れ替えした方がいいんじゃないの。

キャラクターズ

午前は商店建築の取材でd-laboへ。DGNの藤元くんと二人でインタビューを受ける。アーキテクチャを創ることについて色々話しました。商店建築は笈川さんが編集長になってから志向が随分変わったと思う。ただそれがデザインや編集に充分には反映されていない。もっと思い切って変えちゃえばいいのに。

戻ってからは小さい原稿や小さい開発に集中。mattの環境もちょっと変えよう。

をようやく購入。東浩紀+桜坂洋「キャラクターズ」が読みたかったので。まださわりですが、こ・こ・これは....

創造的想像力

小さな開発をあちらこちらでたくさん創ろう。創造的想像力によって<バリアアリー>を実装せよ。

創造的想像力 増補版
創造的想像力 増補版
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マイケル・ポラニー 慶伊 富長
ハーベスト社 (2007/08)

『天皇ごっこ』と『サッドヴァケイション』

たまたま住んでいるマンションの地下にあるWoodyTheatreでやっていた『天皇ごっこ ~母と息子の囚人狂時代~』を観る。進行のベースは母と息子の囚人狂時代。見沢知廉の思想に共感はできないけれど見沢知廉という現象は面白いーというのが何年か前に天皇ごっこを読んだ時の感想でそれはこの舞台を見ても変わらないのですが、今日の演劇の表現としては装飾としての演出が鬱陶しく感じる。唯一の救いは装飾が解釈にまでは浸食していなかったこと。

その後渋谷のシネマライズで『サッドヴァケイション』を観る。青山真治監督は『EUREKA ユリイカ』以来だったのですが、自身のルックスだけでなく作品も随分変わったという印象。とても分かりやすくなっているのですが、分かりやすさに流されてしまわない強烈な何かがあるー上手く言えないけど。とにかく面白かった。

青山真治自身による小説も読んでみたくなりました。

サッド・ヴァケイション
青山 真治
新潮社 (2006/07/28)
売り上げランキング: 51189

宮﨑あおいは結婚しても成長しても希有な存在のままでしたよ。

壊れる

サッカーフル&U22代表共に勝てなかった。負けた(そもそもこの大会においてPK戦の勝敗は意味はない)/引き分けたというより勝てなかった。フル代表では松井、そしてU22代表ではメンバーから外れていますが梅崎。この二人の突破力は絶対に取り込むべきだ。

同じ頃ワールドカップ初戦を迎えたラグビー日本代表はオーストラリアに予想通りの惨敗。次のフィジー戦に照準を絞ってメンバーを落としたとはいえ後半は完全に壊れていました。

そして、mattのアンプも壊れる。がっくり。

動きが生命をつくる

池上高志さんの本がついに出ました。

動きが生命をつくる―生命と意識への構成論的アプローチ
池上 高志
青土社 (2007/09)
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渋谷ブックファーストで見つけて購入。

当初この本のデザイン(装丁から中身のデザインまで)をやる予定だったのですが、出版における諸事情(?)により残念ながら今回はできませんでした。その結果池上さん自身が装丁のデザインまでやったという労作です。生物学にとどまらない「生命とは何か」ということに少しでも興味がある方はぜひ!というか「生命とは何か」に全然興味を持てないなんてつまらないよ。買って読むべし。

Touch したい

アップルが新iPodシリーズを発表。

↓で公式デモが見れます。(via Gizmodo Japan)
アップル公式デモ動画「iPod Touch」

このインターフェイス、触りたいですね。買っちゃうんだろうなーこれ。何か創りたくなるガジェットであることは間違いありません。Wi-Fiがいっぱい。


追記:iPod Touchですが、16GBというのがちょっと微妙ですね。次回32GBが出ることを期待して待つことにしよう。

読むこと/書くこと

渋谷くんがブログで先日のd-log.004「d-labo読書部はじまります(仮)」 について言及しています。

http://www.atak.jp/diary/2007/08/30.html

渋谷くんらしい鋭い突っ込みです。まさに本というメディアの未来を行為に寄り添って考えたかったのですが、ホスト役である僕がそれを二人のゲストに対して明快に提示できませんでした。もしゲストの二人の関心がそこになかったとしても、本が読まれ/書かれる環境が大きく動いている状況を前にして読む/書く人間としてどう考えるかくらいは問わなきゃね。あまり盛り上がっていなかったのはホストのせいです。

個人的にはモノとしての本そのものやページをめくる行為も大好きですが、今起こっている&これから起こるであろう環境の変化は現実拡張として好意的に捉えています。まあ望む望まないに関わらず広義のアーキテクチャが変化していくことは間違いありません。いかなる立場の人間であれ、まずはそれを引き受けることから始まるでしょう。そして現在進行形で進む活字環境の変化の中で感じるのは読むことと書くことが同一の行為になっていることです。僕のように細々とブログや時々媒体に原稿を書いている程度でもモニター上では読むことと書くことは同一になってきています。これは考えること/創ることにも変更を迫ります。さらにアーカイブするという行為も同一化しつつある。アーカイブするというのは本のネットワーク・関係性によって可塑的な知覚環境(物理環境を含む)を構成していくことです。

全くアンサーになっていませんが、このあたりは今取り組んでいる「設計図を描き変え続ける」にもつながっていくので空間を創りながらこれからも考えていきます。

下りの速度は速い

神保町へ。日曜日は古書店はほとんどお休みですが、村山書店等一部開いているところもありプラプラ歩く。村山書店はもともとは「建築・理工書が専門」らしいのですが今は人文系の品揃えが充実している。けど、全体的にけっこう高い。でも、ここの講談社学術文庫の充実ぶりは特筆もの。古い絶版書もたくさんで、僕もよく利用します。

今日は

ユリイカ 2006年6月号 特集 任天堂/NINTENDO

青土社 (2006/05)
売り上げランキング: 146844


情況 2007年 08月号 [雑誌]

情況出版 (2007/07/21)

を購入。

三省堂神田町本店で用事を済ませて、富士山のやさい塾という野菜を食すお店で食事。ビュッフェスタイルなので張り切ってたくさん食べたら帰りの電車に乗った時点でお腹に鈍痛が。EMOBILEのように下りの速度はめっぽう速い。ー焦りました。

そうそう、EMOBILEのD01HW買おうかな...。

Earth Coding Meeting-地球を実装せよ

科学未来館へEarth Coding Meeting-地球を実装せよを観に行く。

第一部はドミニク・チェン氏の進行で島地広哲氏、遠藤拓己氏、鈴木健氏、中嶋謙互氏の4人がそれぞれのプロジェクトを紹介してからディスカッション。プロジェクト紹介をするにはちょっと4人は多かった、もしくは時間が短かった。最後の方で中嶋謙互さんが言っていましたが「あと二歩」を突っ込めなかったらこのテーマでのディスカッションは意味がないでしょう。中嶋謙互さんは唯一その部分に切り込もうとしていました。彼の物理的なモノと設計図の中間としてのシミュレータの実践は興味深い。僕自身は今「シミュレーションー設計図を描き換え続けるー創る」ということを考え続けています。

第二部の北野宏明氏と伊藤穰一氏のトークはベテランらしく進行も内容も安定したお話でした。故に新鮮な視点はありませんでしたが、no impact manはちょっと面白い。

「地球を実装せよ」ということだったのですが、やはり実装が難しいですね。本当は実装も含めて創るということになるのですが。

夜はF夫妻やその友人らとゴールデン街の1年に1度だけ出現するスナックへ。朝まで飲んで食べて喋って笑う。