拡張した心
先日の出張の帰りに購入したこれを読みました。
タイトルから想像されるような挑発的な内容ではなく、心の哲学〜脳神経倫理学のさらっとしたイントロダクションになっています。200ページちょっとの新書ですが、短いながらも一章をあててベンジャミン・リベットの自由意志に関する実験とその後の議論について紹介されているというのは大きな意味があると思います。
著者自身も「拡張した心」論者の一人であるのですが、「心」という限定で考えることにはやはり違和感を感じます。暦本さんもブログで書かれていましたが、
生命とは、永遠の形相のもとにおける存在の過程ではなく、むしろ個体とその環境との相互作用である。
というノーバート・ウィーナーの言葉のように「生命」というシステムにおける相互性を考えなければならないと思います。
サイバネティックスはいかにして生まれたか
posted with amazlet at 08.11.21
ノーバート・ウィーナー
みすず書房
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